血液サラサラを重ねないこと、サプリや市販薬でも要注意
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 脳・心血管疾患の経験がある人は、大切な血管が再度詰まらないように「血液サラサラ薬」──抗血栓薬や抗凝固薬を処方されることが多い。

 その際、血液サラサラ傾向、つまり出血傾向を助長する可能性がある食品やサプリメント(サプリ)、ほかの薬との併用について注意をされるのだが、困ったことに気にしない人が少なくない。

 実際、米国からの報告によれば、血液サラサラ薬を飲んでいる人のおよそ98%がサプリや市販薬を飲んでおり、そのうちの3割以上が、出血傾向を助長する市販薬を併用していたのである。

 研究者らは、血液サラサラ薬の一つであるDOACを飲んでいる791人を対象に、市販薬などの併用状況と薬の飲み合わせに関する知識について調査を行った。

 その結果、771人(97.5%)が市販薬を併用。このうち、胃腸粘膜からの出血リスクを助長する薬を毎日少なくとも1種類飲んでいた患者は、266人(34.5%)だった。また、複数(平均2.6個)を併用していた患者は53人(6.9%)だった。

 服用していた市販薬の内訳は、アスピリン、イブプロフェンなど。

 また、ビタミンなどのサプリを毎日1種類以上飲んでいる人は618人(78.1%)で、このうち出血傾向を助長するウコンの服用者はおよそ1割、同じくジンジャー(生姜)やイチョウ葉(ギンコ)の服用者は5%ほどだった。

 アスピリンなどの非ステロイド系消炎鎮痛薬は、消化管の粘膜を保護する働きを抑える作用があり、時に薬剤性の胃潰瘍や十二指腸潰瘍を引き起こす。

 さらに血液サラサラ効果もあるため、DOACと併用すると消化管出血リスクが上昇する。重症例では緊急入院の可能性もあるため、特に高齢者や胃潰瘍の既往、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染歴がある人は注意が必要だ。

 米国の報告では、DOACの飲み合わせに関する知識が乏しいほど、市販薬やサプリの併用に無頓着になることがわかっている。

 セルフメディケーション促進の昨今だからこそ、自衛のための健康リテラシーが重要なのだ。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)