子どもの頃の行動については、「休み前に出された宿題をどのタイミングでやり終えたか」という質問で判定。1.すぐに終わらせた、2.なるべく早めに終わらせた、3.均等のペースで終わらせた、4.期間の最後の方に終わらせた、5.期限ぎりぎりになって終わらせた、という五択のうち1~3を課題の先延ばしをしない群(270人)、4を中等度の先延ばし傾向がある群(323人)、5を先延ばし傾向が強い群(202人)として全体を3群に分類した。
対象者全体でのメタボの割合は15.5%だった。これを前記のカテゴリー別に比較すると、ホワイトカラーにおいて先延ばし傾向が強い群の23.1%がメタボであり、先延ばししない群に比べ有意に多かった(P=0.024)。その一方、ブルーカラーでは先延ばし傾向とメタボの間に有意な関係は見られなかった。
次に、年齢、教育レベル、長時間労働の頻度、喫煙・飲酒・身体活動習慣で調整し検討すると、ホワイトカラーでは先延ばし傾向に応じてメタボリスクが高くなるという有意な関係が認められた(傾向性P=0.013)。先延ばししない群を基準とすると先延ばし傾向が強い群のオッズ比は2.29であり、2倍以上メタボリスクが高いことがわかった。一方、ブルーカラーでは有意な関係は見られなかったが、先延ばし傾向が強い群のオッズ比は0.40であり、むしろリスクが低下する傾向にあった。
これらの結果から成定氏らは「先延ばし傾向は男性のホワイトカラー労働者のメタボリスク上昇と関連しており、メタボ関連疾患の予防には、先延ばし傾向の強い男性により注意を払う必要がある」と結論をまとめている。(HealthDay News 2019年12月2日)
Abstract/Full Text
https://bmjopen.bmj.com/content/9/11/e029931
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