「我慢」しなくても
節約はできる!

 さらに言えば、前者の管理可能な支出の多くは、人生を楽しむためのものだから削るとなると寂しい思いをするのは、前述した通りだ。これでは、一体何のために働いているのかわからなくなってしまうだろう。ところが、後者の支出はなくしても生活感にはほとんど変化がない。つまり、節約をしているという感覚を持たなくても支出が減るというメリットがあるのだ。

 実際に子どもが独立して夫婦2人の生活になっているにもかかわらず、多額の保険に入り続けていたり、定年になって時間はたっぷりあるから、ネットで調べたり、図書館に行けばいいのに、現役時代の習慣で、新聞や雑誌を取り続けていたりするのも見直すべきだろう。そう、管理不能な支出こそなくすべきなのだ。

 このように、ひとくちに節約と言っても、そのやり方やどれを対象とするかによって気分は大きく変わってくる。

 どうも節約というのは、欲しいものでも我慢するというイメージがつきまとう。でも本当に大事なのは節約ではなく「無駄をなくす」ということである。冒頭で紹介した企業の経費節減の例においても、本質を考えるのではなく、目についたもの、わかりやすいものを節減することにいきがちだ。

 なんでもかんでも節約という感覚にとらわれるのではなく、本当に必要なものとそうでないものを峻別し、実効性の高いものから取り組んでいくことが大切なことではないだろうか。