大阪府庁が、パソコン一斉強制終了の方針を打ち出した。このような一律で強制力を伴う方針は、メンバーのモチベーションを著しく低下させる。本来実現すべき生産性向上にさおさすメッセージになってしまっている。(モチベーションファクター代表取締役 山口 博)

パソコン強制終了は
職員のモチベーションを低下させる

大阪府庁の建物
Photo:PIXTA

 大阪府庁が、時間外勤務を減らすため、18時30分にパソコンを一斉に強制シャットダウンする方針を打ち出した。時間外勤務の事前届け出をしなければ、18時20分に「速やかに業務を終了し退出してください」という警告文が、職員の業務用パソコンに表示され、10分後に自動的に画面がオフになるという。災害時は強制終了を解除できる仕組みのようだ。

 吉村洋文大阪府知事は、「限られた勤務時間の中で集中して仕事をする」ためだという目的を説明している。2018年度の大阪府職員の時間外勤務は年間100万時間超、残業代は30億円にも上るという。実施は2020年冬頃だというので、1年先だ。パソコンの強制終了で残業代は圧縮されるだろう。しかし、最も重要な問題は、残業をしないで業務を遂行できるように、1人あたり、時間あたりの生産性を高めていけるかどうかだ。

 仮に現状のままであれば、年間100万時間超の時間外勤務で処理していた業務が、パソコンの強制終了によって滞ることになる。今後1年の間に、生産性向上を実現していかなければならない。実は、とてもチャレンジングな取り組みなのだ。

 しかも、このパソコン強制終了の宣言は、個々の職員が生産性を高めるという取り組みにさおさすことになりかねない。職員のモチベーションを低下させる、かなり大きな破壊力を持った施策だからだ。