2歳以下の子どもの
“最大のキラー”はマラリア

 現地では熱が出ると、どのような疾患が考えられるか。その筆頭はマラリアである。マラリアは蚊を媒介とする病気だが、首都のキンシャサにおいても、また地方の診療所でも、熱があると、まずはマラリアと診断される可能性が高い。本来ならば、確認のための検査をする必要があるが、そのためには患者が検査費用(約5ドル)を負担する必要がある。

 多くの患者は、その費用を負担できないので薬だけを希望し、多くの医師もマラリアの薬を処方する。マラリアは、エイズ、結核とともに世界の3大感染症の1つである。

 マラリアには4つの種類があるが、アフリカにおいてはその中でも死亡率の高い熱帯熱マラリアがほとんどで、2歳以下の子どもの死亡率は高く、現地で最も恐れられている病気である。コンゴ民主共和国では、年間2500万人がこの病気にかかり、4万6000人が死亡している(推定2017, WHO Malaria Report)。

 マラリアは首都キンシャサでもいつでも流行しており、長期滞在者のみならず短期滞在者にとっても一番の課題である。検査キットもマラリア薬も簡単に手に入るので、日本からの長期滞在者は常備している場合もある。

 マラリアは2000年までは、世界で年間100万人から200万人もの死亡者が出るということで“世界の課題”であったが、2003年に開始された3大感染症対策のための基金(グローバルファンド)による世界規模の対策により激減している。

 アフリカにおいても、特に住友化学が開発した薬を浸透させた蚊帳の普及が対策として進められるようになるとともに、簡易検査により早期診断がつけやすくなったこともあり、マラリアにかかる人、死亡者が減少している。

 熱帯熱マラリアの場合には、手遅れになる前に薬を飲むこともやむを得ない。大人は何度でもマラリアにかかり、症状も軽いことが多いが、2歳以下の子どもの場合、最初にかかったときの死亡率が高い。

感染力の高い
はしか(麻疹)

 もう1つの熱性疾患が、はしかである。近年、流行が始まり、子どもの死亡率を上げている。これまで、コンゴ民主共和国では大きなはしかの流行は発生しておらず、問題とはならなかった。