都立「国立高・立川高」、多摩の伝統2校に挑む新興勢力はどこか?多摩地区の併願校筆頭は「拓殖大第一」。国立音楽大学、都立上水高などと接する文教エリアにある

エリアで異なる多摩地区の併願校

 多摩地区は広いため、偏差値もさることながら、路線やエリアごとに併願校が大きく異なる傾向が見られる。

 23区の城南・城西地区の上位校併願校「國學院」と多摩地区で同じような立ち位置にいるのが「拓殖大第一」(武蔵村山市)だろう。男子は国立、立川小金井北、昭和、東大和南で、女子は武蔵野北、武蔵、日野台、昭和で一番の併願校となっている。最寄り駅が西武拝島線・多摩モノレール「玉川上水」で交通の便がいい点も選ばれる理由だろう。だいたい合格を得ているようだ。

 中学受験でも中堅校として人気の帝京大学(八王子市)は、高校でも併願校として人気がある。それに次ぐのが通称“小平錦城”の錦城(小平市)で、立川の女子、武蔵野北の男子、国分寺の男女でトップの併願校となっているほか、多くの学校で2番目の併願校として名前が挙がっている。

 そして西の方では上位校が「八王子」、二番手校以下は「八王子実践」が併願校の上位を占めている。どちらもだいたい合格するのだが、それ以外の選択肢となると、JR横浜線など神奈川方向に向かった学校の名前が挙がるくらいで、さほど選択肢はない。

 具体的には、八王子東なら桜美林(町田市)、桐蔭学園(横浜市青葉区)、立川で中央大学附属(小金井市)となる。国立の男子は道を挟んだ向かいにある男子校の桐朋(国立市)、早大高等学院(練馬区)、男女共に早稲田実業(国分寺市)の名が挙がっている。早稲田や中央の附属・系属校は併願優遇がないため、その合格率は半分前後、早稲田実業なら5人に1人程度しか受からないという狭き門である。

 国分寺、武蔵野北、町田といった二番手校はどうか。町田の男子で3番目に麻布大附属(相模原市中央区)が出てくるくらいで、トップ校と同じような顔ぶれが出てくる。選択肢はあまり豊富とはいえない状況である。学校ランクよりも、所在地の影響が大きく、都区部に近いエリアほど、世田谷区や杉並区の受験生と同様の併願校が出てくる。

 三番手校では、清瀬、東大和南、調布南、小平などで明星(府中市)、大成(三鷹市)を受ける生徒が、女子では京王線の佼成学園女子(世田谷区)、西武新宿線の白梅学園(小平市)といった女子校が挙がってくる。