都立「国立高・立川高」、多摩の伝統2校に挑む新興勢力はどこか?戦後派を代表するトップ校「八王子東」は高校新設に尽力した日野市との市境にある

新たなエリート校、都立中高一貫校が変える秩序

 次ページに多摩地区の進学校の一覧を載せた。この総合得点は合格可能性60%の位置を示している。

 2020年入試の場合、国立・立川・八王子東の多摩都立高御三家は、換算内申でいずれも60前後を目安としている。満点が65だから、主要5科目(国語、社会、数学、理科、英語)はもちろんのこと、2倍に評価される実技4科目(音楽、美術、保健体育、技術家庭)できっちり得点しないことにはまるで届かない。基本的に学力試験で合否が決まる中学受験が盛んになる理由の1つかもしれない。
 
 トップ校では内申の差が付きづらい。そんなこともあってか、一芸に秀でている天才タイプの生徒は二番手校以下に潜んでいることも多い。

 進学指導特別推進校には、旧第7学区の元は府中と同様に私立校で戦後都立高になった町田と、進学重視型単位制になった旧第9学区の国分寺(1969年創立)が指定されている。

 この2校の間に食い込んできたのが進学指導推進校の武蔵野北(1979年創立)と中学を併設している武蔵(1940年創立)で、いずれも旧第9学区である。武蔵は2020年入試で高校での募集は最後となり、翌年からは中学での募集のみとなるため、都立高の仲間からは外れる。同じ進学指導推進校である小金井北や日野台が、武蔵の穴を埋める形で二番手校へ浮上する可能性は大きい。