大学入学共通テストの「公平性」議論がどうしても的を射ない真因
大学入学共通テストで、国語と数学への記述式問題導入までもが見送りになった。それにしても、「公平性」についての議論がちっとも的を射ないように見えるのはなぜか Photo:Diamond

共通テストへの記述式導入を断念
そもそも「公平な入試」とは何か

 以前、2020年度から実施される大学入学共通テストにおいて、英語民間試験の採用が延期になったことを考察する記事を書きました。それに続く形で12月17日、同テストで検討されていた国語と数学への記述式問題導入までも見送りが決定しました。これは英語民間試験と並ぶ、大学入試改革の2本柱とされていたものですが、与党内で公明党が主導し、撤回に追い込まれる形になりました。

 萩生田光一文科相の会見では、今回の決定は単なる見送りではなく、共通テストに記述式を導入するか否かについては「まっさらな状態で対応したい」と、実質的に導入断念も視野にいれた対応だったことが語られました。

 この直前、大学入試センターから大臣に対しては「採点ミスの完全な解消」「自己採点と実際の採点の不一致の改善」「質の高い採点体制の明示」の3点について、現時点では課題を解消することが困難だという報告があったといいます。受験生によって採点結果が違うのであれば、確かに公平な試験とはいえません。

 もともと大学入学共通テストは、それまでの大学入試センター試験に代わる新制度として設計されました。大学入試センター試験はここ数年、受験者数が55万人前後、参加大学数が2019年度で852大学と、大学受験者の約半数が通過する大規模な入試であること、そしてその採点が実質3日間で行われること(その後、点数調整や追加試験が行われることを除く)に特徴があります。

 テストの回答方式がマークシートで、コンピュータが採点するからこそ、これだけ大量の採点をスピーディに行えたのです。それを記述式に改めるとなれば、確かに採点者の数が不足し、負担がかかることは間違いありません。

 今回、記述式問題導入が見送りになった大きなきっかけは「採点のためにアルバイトを採用せざるをえ得ないこと」が判明したことでしょう。そもそも記述式の採点基準が不透明で、その採点の担当者として技術水準が詳らかではないアルバイトが関わるということであれば、入試の公平性は確かに担保できないでしょう。

 そこで、改めて考えてみたいと思います。そもそも「公平な入試」とは、どのようなものであるべきでしょうか。