今後の動きとしては、ポルシェ、ボーイング、そしてボーイングの子会社、オーロラ・フライト・サイエンス、ポルシェ・エンジニアリングサービス、スタジオF.A.ポルシェなどが協力し、エレクトリックの空飛ぶクルマのプロトタイプを製作する。VTOL(垂直離着陸)式で、スペースをとらずに空に飛び上がり、そこから水平に移動する。

 ポルシェは空飛ぶクルマについてのコンサルティングを実施。「この市場は25年以降、花開くだろう」という予想に基づいて今回のボーイングとの提携を模索しはじめたという。

コストの問題
規制や法律など、実用化には環境整備が不可欠

 空飛ぶクルマの実現を目指す大手メーカーは、ポルシェ以外にもある。たとえばアウディは、エアバスとイタルデザインとともにフライングタクシーの準備を進めている。

 問題はコストだ。

イラストイラスト:安田雅章

 空飛ぶクルマの製作には1機当たり10億円近いコストがかかる、といわれる。もちろん量産されるようになれば、コストは下がっていくだろう。それでも一般的なクルマのように気軽に買える価格にはならない可能性が高い。とくにいまの空飛ぶクルマの動力は電気モーターが主流。一般のクルマでもEV(電気自動車)はガソリン車に比べて割高だが、空飛ぶクルマでもそれは同様だ。

 次に、技術として実現したとしても、規制や法律など、実用化には環境整備が不可欠。ドローンもそうだが、空の上だからといって縦横無尽に飛んでいい、というわけではない。セスナなどの小型機が比較的普及している米国の場合、ある程度の規制や法律が存在するが、グローバル市場を目指すならば各国の指標も必要となるだろう。

 それでもボーイングのような大手航空機メーカーと、ポルシェという高級車メーカーが手を組む、というのは空飛ぶクルマの将来にとって大きな一歩といえる。個人への販売を主体とする空飛ぶクルマを開発するのか、あるいはライドサービスのようなシステムを作り上げるのか。今後の両社の動きに、業界も注目している。

CAR and Driverロゴ

(報告/土方細秩子、まとめ/CAR and DRIVER編集部)