生き残りのカギは、コストコントロール
宅配業は、差別化を図りにくい業種です。
宅急便、飛脚宅配便、ゆうパックなど、どのサービスでも荷物を指定の住所に指定された日に届けるという業務に違いはありません。さらにトラック1台あれば誰でも始めることができるという、参入障壁が極めて低いビジネスです。
差別化が図りにくく、かつ、参入障壁が低いビジネスは、価格競争に陥る傾向にあります。価格でしか他社との違いを出せないからです。下記のイメージ画像を見てください。
企業でも個人でも、荷物を運ぶための費用は安ければ安いほどいいと考えます。だから、宅配業者としては値上げには慎重にならざるを得ません。
宅配業はもともと利益率が低くなる傾向にあるビジネスなので、緻密なコストコントロールが経営の優劣を左右します。事業規模が小さいうちは配送効率の面でスケールメリットが利くので、ひたすら規模を追い求める戦略が有効でした。
しかし、ヤマトホールディングスやSGホールディングスぐらいの企業規模になると、いかにコストを抑えて利益を残せるかという「営業利益率」が、企業価値を左右する重要な指標となります。