「食事で摂取した栄養素を歯で砕き、胃で消化して、腸で吸収しますよね。そこから先の体内の営み全部が『代謝』です。吸収された栄養素が血液に乗って体内のいたるところでエネルギーとして使われるのも代謝。栄養素が脂肪として蓄えられるのも代謝。代謝は総称なんです」

 体の中で起こる生化学反応はすべて代謝と呼ばれる。代謝そのものをくどくど定義するより、「体内でのさまざまな活動がエネルギッシュな状態=代謝がよい」という表現のほうが一般の人にはイメージしやすい。

 代謝には基礎代謝、生活活動代謝、食事誘発性熱産生の3種類がある。基礎代謝は終日、1ミリも動かず椅子に座った状態でも消費されるエネルギー。日常生活や運動による消費が生活活動代謝。食事による栄養素が分解・吸収される過程で消費されるのが食事誘発性熱産生。全体の約70%を占める「基礎代謝」を上げることが、太りにくい体への近道だ。

 基礎代謝は年齢とともに低下する。男性で15~17歳、女性で12~14歳がピークだ。森さんによると、体を動かす要であり基礎代謝量を増やす筋肉は、30歳を超えたあたりから、何もしないと年1%程度ずつ減る。年とともに内臓機能も低下するので、基礎代謝は下がる一方なのである。

 ここで素朴な疑問をぶつけてみた。森さんはピラティスや筋肉トレーニングを行うスタジオを運営する運動指導者だ。なぜ「食事で痩せられる」と主張するようになったのか。