さらに顕著なのは「稀に暇なOLなっちゃん」というチャンネルのナイトルーティーン。こちらは、家に帰ってきてテーブルに並んだ化粧品を片付けるところから始まる。その後、洗濯物を干して料理の時間へ。といっても、メニューは耐熱容器とレンジを使った簡単なパスタだ。料理が出来上がると、海外ドラマを見ながら黙々と食べる風景が流れる。

 以降は、愛用するロボット掃除機を起動させたり、お風呂後のストレッチをしたり。歯磨きや肌ケアの映像も出る。しかし、商品の紹介やノウハウ的な話はほとんどない。家の観葉植物なども写しながら、ひたすら生活を流している。

 ゆうこすのルーティーン動画がノウハウ系、向上心を煽るものなら、こちらはその要素がほとんどない。コメントを見ても「金で解決してる感がめちゃ好き」「ラク最高」「テロップのセンスが面白い」と内容が変わってくる。

 さらには「パスタを皿に移してるだけすごい」など、見る側の“だらしなさ”に対するボーダーや価値観が変わっている。

だらしない生活を見せる人も
身近だからこそ、その姿が魅力

 ゆうこすとは正反対なのが、まみむめもちおのルーティーン動画。「独身女の結構飲んで酔っ払って帰宅した日の堕落したナイトルーティーン」だ。

 服はソファにだらっと投げ、酔っているのでしばらくソファにもたれる。キッチンに移動すると、壁に寄りかかり、座って水を飲む。歯磨きも座りながら。その後はコタツで横になる。

 彼女は他にもナイトルーティーン動画を上げており、シンクには洗わず溜まった食器。ベッドの上も乱雑。ごはんを食べてテレビを見た後は、コタツで横になり寝てしまう。こんな風に、向上系とは真逆の内容だ。

 しかし、その動画は258万再生を記録している。コメントを見ても「こういうリアルな日常の方が共感できる」「これが見たいんだよ、世のオシャレぶってるユーチューバーよ、違うんだよなぁ」「行動が同じすぎて安心した」「私もっとすごい」など、共感や癒しの要素がほとんどを占めている。

 ノウハウやライフハックを学ぶというよりは、好きなユーチューバーの普段着の生活を覗き見て、「自分も同じ」と共感したり、その姿を純粋に楽しんでいるのだ。

 以前ダイヤモンド・オンラインの記事で、動画クリエイターのマネジメントを行うUUUM株式会社に取材をした。その際、ユーチューバーの立ち位置として「テレビタレントははるか遠くの存在。対する動画クリエイターは半歩先を歩く“隣のお兄さん”」という表現が聞かれた。身近な存在という認識だ。

 その身近さがあるからこそ、こういった普段の生活、褒められるわけではない日常を見たいユーザー、見ていて楽しいユーザーが多いのではないだろうか。憧れゆえの「見習いたい部分」もあれば、身近ゆえの「一緒の部分」に癒されもする。このコンテンツの盛り上がりは、ユーチューバーという立ち位置とも関係しているのかもしれない。