「磨き残しを可視化できる機能」は画期的です。目の前のスマホは洗面台の壁などに貼り付けて使いますが、これを見ながら歯ブラシを動かすので、飽きずに磨けるということもあるでしょう。

「手磨きが苦手で、嫌い」「歯科衛生士さんが指導をしてもプラークがたくさん残ってしまう」。こうした患者さんにこの最新鋭の電動歯ブラシをすすめたところ、磨き残しが大幅に改善しました。電動歯ブラシによる清掃の効果は手磨きの8倍という報告もありますし、最初に歯科医院できちんと使い方を教えてもらい、正しい方法で磨けるようになれば、電動歯ブラシは非常に有効だと思います。

 仕組みは違いますが、子ども用の電動歯ブラシにもきちんと磨かせるための工夫をしたものがあります。子どもは歯磨きを嫌がることが多いため、専用のウェブサイトを見ながらブラッシングをしてもらいます。ウェブサイトでは人気アニメの映像が2分間流れ、その間に隠れていたキャラクターが次々登場し、楽しみながらブラッシングができるようになっています。

 もちろん、電動歯ブラシにもデメリットはあります。高機能のタイプは2万~3万円台と高く、ヘッドも手磨き用歯ブラシほどではありませんが定期的な交換が必要で、1本3000円くらいするものもあります(それでも歯磨きがきちんとできないと歯を失うリスクが高いので、それを考えれば安い買い物だとは思いますが……)。

 もう一つ、忘れてはいけないのはどんなに高機能の電動歯ブラシを使っても、一部のプラークは歯に残る、という点です。ヘッドが届かない歯と歯の間や歯ぐきの内側がそれで、ブラッシングの後に「フロス」または「歯間ブラシ」を使う必要があります。また、歯ぐきの内側に付着した歯石はセルフケアでは取り除けないので、歯科で定期的にクリーニングしてもらうことが大事です。

 こうしたことがきちんとできないと、歯周病は再発してしまいます。

 電動歯ブラシを使う場合はこうしたことを考えたうえで、うまく生活に取り入れてください。

AERA dot.より転載