大人の目線ではなく、
子どもの目線で考える
2歳ごろから、脳の中に入った情報をもとに、さまざまな微細運動で自分の感情を表現するようになります。微細運動とは、お絵かきをする、おもちゃを使って遊ぶなど、自分の意志で行う、おもに指先を使った細かい運動のことです。
このときも、いくつかのおもちゃや道具から、自分で選んで遊ぶ経験を持つことが重要です。周囲の大人が次から次へと買い与えたり、ビデオや動画をずっと見続けたりすると、「自分で選んで遊んだ」という体験ができなくなります。
大人の目線ではなく、子どもの目線で考えてみましょう。物質的に、あるいは情報量として十分なものが与えられていることよりも、子ども自身が「自分で選ぶことができた」「大人に認めてもらって達成感が得られた」などの感情を持ち、その感情を表現できるかどうかのほうが重要です。
「自己肯定感」は、達成感を持つことによって育まれていきます。「やった!」「できた!」という体験をすることで、少しずつ自信が蓄積されてくるのです。
とくに2歳くらいまでは、「他者からほめられる」ことで、自分の達成感を確認していきます。周囲の大人が「楽しいね」「うれしいよ」「できたね」などの声をかけるときは、多少オーバーなくらいの表情を示しましょう。子どもには評価されているというメッセージが伝わります。