テストの点で測れない「非認知能力」=「考える力」「やり抜く力」「折れない心」の土台は、親が子どもの話を聞くことから作られる! 『自己肯定感で子どもが伸びる12歳からの心と脳の育て方』の著者で、30年以上臨床の場で多くの親子を見続けている医師が断言します。本連載では、子どもの脳を傷つけないで「あと伸びする子」に育てるためのノウハウを、著者が接してきた実例とともに紹介していきます。子どもへの接し方に悩むすべての大人、必読!

自己肯定感で子どもが伸びる0歳~2歳の心と脳の育て方Photo: Adobe Stock

「自分でできた」という
感情を持つことが重要

 2歳くらいまでは、いろいろな情報を「教えられたとおり」「与えられたこと」として身につけることはできますが、自分に必要なものだけを記憶しておくことはできません。それは脳がまだ育っていないからです。まずは、その情報の中で、自分の興味のあるものに対して関心を持つようになります。目で物を追う、気に入った音には体を動かして反応する、気に入ったものに注目して指さしするなどです。

 初めての情報や嫌な情報には、恐怖や不快を感じて泣き出すなどの反応があります。「人見知りをする」「大きな音を怖がる」などはそれにあたります。

この時期に、大人が楽しむ動画やゲームなどの情報にふれることは、子どもの脳の処理能力を超えてしまいます。また、自分のほうから興味のあるものに働きかける機会がなくなってしまいます。

 暴言で子どもの脳が傷つくと前項(第9回)でお話ししましたが、実体験でなくても、映像で残酷な場面を見る、暴力的な場面を見るなどの刺激を受け続けると、その刺激が強すぎて、本人にとって心地よい刺激に注目することができなくなります。ですから、2歳くらいまでは、脳に入る情報を、周囲の大人が取捨選択することが必要です。