テストの点で測れない「非認知能力」=「考える力」「やり抜く力」「折れない心」の土台は、親が子どもの話を聞くことから作られる! 『自己肯定感で子どもが伸びる12歳からの心と脳の育て方』の著者で、30年以上臨床の場で多くの親子を見続けている医師が断言します。本連載では、子どもの脳を傷つけないで「あと伸びする子」に育てるためのノウハウを、著者が接してきた実例とともに紹介していきます。子どもへの接し方に悩むすべての大人、必読!

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自己を認識できてから、
「自己肯定感」が生まれる

「自己肯定感」という感覚は、自分で自分を認識できるようになって初めて備わってくるものです。生後間もない赤ちゃんは自分を認識することができないので、「自己肯定感」もわかりません。

 では、赤ちゃんが自分を自分だとわかるのは、いつごろからでしょうか?

 生後3〜4ヵ月くらいの赤ちゃんは、鏡に映る自分を、自分自身だとはわかっていません。鏡の中にいるのは別人だと認識しているので、鏡をたたいたり顔を押しつけたり相手をうかがう動作をすることがあります。だいたい1歳半くらいから、鏡の中にいるのは自分自身だとわかるようになるのです。

 自己の認識に関しては、他者とのかかわりの中で身につけていくものと言われています。
自己と他者を分けられるようになるのは、自我の芽生えである2〜3歳のいわゆる「イヤイヤ期」と呼ばれるころからです。親の言ったことに反抗するのは、しっかりと「自分」を持てるようになってきた証拠なのです。

 5歳くらいになると、親を含む周りの人と自分は違う存在だと境界線が引けて、「自分はこれができる」「自分は○○ちゃんとくらべて走るのが苦手だ」といった自分を意識する気持ちが生まれてきます。これが「自己肯定感」の芽生えになります。

 このときの親の声かけで、「自己肯定感」は高くもなり低くもなります。「○○がじょうずね」という声かけがあれば「自分は○○がじょうずなんだ」と自分を肯定することができますが、「何をやってもダメね」と言われたら、自分はダメだと思い込んで「自己肯定感」が低くなります。