「ディベート文化」は十字軍、「プレゼン」は宣教師から始まった
キリスト教は愛の宗教であり、弱者への慈愛に満ちています。戦争や弾圧は歴史の一側面にすぎません。しかし、このキリスト教の一面が、「正否をはっきりさせるディベートを重視する」という今日の欧米の文化をつくりだしたと推測することもできます。
個人的な意見ではありますが、キリスト教の宣教師による伝道は、今のビジネスパーソンが用いるプレゼンテーションのルーツだと思っています。新約聖書は物語仕立てで面白く、巧みなたとえ話も盛り込まれていて、話術によって広めていくにはぴったりでした。
欧米社会は、言葉を重視するキリスト教文化の影響を強く受けており、グローバルなビジネスの場でもディベートやプレゼンが多く用いられます。ところが、日本のベースにあるのは「深遠なことは言葉では伝わらない」という、体感を重視する仏教文化。こうした点が、日本のビジネスパーソンが欧米社会で実力を発揮しきれない要因になっているように感じられます。