論理もデータもあてにならない時代、論理・戦略に基づくアプローチに限界を感じた人たちのあいだで、「知覚」「感性」「直感」などが見直されつつある。そんななか刊行され、各氏がこぞって大絶賛するのが、『「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考』という書籍だ。

現役の美術教師でもある著者が、中高生向けの「美術」の授業をベースに、「自分だけのものの見方」で世界を見つめ、「自分なりの答え」を生み出し、それによって「新たな問い」を生み出すという「アート思考」のプロセスをわかりやすく解説している。700人超の中高生たちを熱狂させ、大人たちもいま最優先で受けたい授業とは――?

いま、モヤモヤを抱える人が<br />「最優先で学びなおすべき教科」とは?Photo: Adobe Stock

「正解を見つける力」から「答えをつくる力」へ

「論理や戦略だけではビジネスは立ち行かない。これからは『アーティストのように考える力』が必要だ」という話をどこかで耳にした方もいらっしゃると思います。このような考え方は「アート思考」とも呼ばれています。

そうは言っても、「アート思考」というのは、決して難しい話ではありません。言ってみれば、これは「みなさんが子どものころにやっていた世界の捉え方」「自分だけの答えを見つける方法」を思い出すことにほかならないからです。

以前の記事でもお伝えしたとおり、「小学校→中学校にかけて最も人気をなくす科目」第1位である「美術」こそが、本来はこの力を磨く役割を担うべきだと私は考えています。

いま、モヤモヤを抱える人が<br />「最優先で学びなおすべき教科」とは?

参考:アート鑑賞の仕方でわかる、「自分なりの視点がある人/ない人」の決定的な違い
https://diamond.jp/articles/-/229171

しかし、こんなことをお伝えすると、次のような疑問を持つ方も多いと思います。

「でも、子どものように世界をとらえる力なんて、必要なのかな?」
「いまさら『美術』を学んでも、世の中では大して役に立たないのでは?」

そこで今回は、「アート思考がなぜあなたに必要なのか?」について、お話ししていきたいと思います。