成績がいい子の共通点?
男の子の学力アップのカギは「ルーティーン化」にあった!
男の子の「やる気スイッチ」は、ない
「親がうるさく管理しなくても、自分でやる気になってくれないかしら」
男の子の親、とくに母親の共通した願いです。
母親たちは一生懸命、我が子の「やる気スイッチ」を探していますが、見つけることができないようです。なぜ見つからないかといったら、「ない」からです。
ときどき、非常にまれな確率でそれを持っている男の子がいます。でも、自分の子どもにそれを探していたら時間ばかりロスしてしまいます。
私のところでも、やる気スイッチを持った男の子などほぼゼロです。しかし、やる気スイッチのない子もちゃんと志望中学に合格します。実際に、「ウチの子は最後までやる気にならなかったけれど、受かりました」という、妙な安堵の声が親御さんからたくさん寄せられます。
これは、勉強をルーティーン化し、生活の一部にしてしまったからです。
寝るときはパジャマに着替えるとか、朝起きたら顔を洗うとか、食後に歯磨きをするといったことも、最初は親がいちいち言わなければできなかったはずです。でも、何度も言ってやらせているうちに、自ら行う習慣となったでしょう。
「○時になったら勉強を始める」ということを歯磨きと同じような習慣にしてしまえば、子どもはそれを苦に感じることなくこなせるようになります。そうすれば、やる気になどなってもらわなくても大丈夫なのです。
ビジネスでも思い当たることがありませんか?
あなたや、あなたの部下にやる気スイッチなんてあるのでしょうか?
朝起きて、身支度して会社に行き、メールをチェックして得意先をまわる。それは習慣として行っているのであって、やる気スイッチが入ったからではないでしょう。でも、得意先から注文が取れたらそれでいいではありませんか。
やる気の度合いを問題にすると、気合いや根性などの精神論に陥ります。しかし、大切なことは仕事と同じで、結果なのです。
【著者からのメッセージ】
<大反響! 連載人気ランキング>
第1位:「男の子の学力」を伸ばすために親が知っておきたい育て方
第2位:男の子の学力は「机に向かう姿勢」で9割決まる
第3位:男の子の「折れない心」を育てるためのコツとは?
私は、「進学塾 VAMOS(バモス)」の経営者として、「入塾テストなし・先着順」と生徒を選抜することなく、多くの子どもを難関校へと導いてきました。
「どんな子でも必ず伸びる」という確信が、私にはあります。こと「伸び率」に関して、私はどこの学習塾にも負けない自信があります。それは単に実績の話だけではなく、再現性のある学習メソッドを取り入れているからです。
具体的には本書のなかでお伝えしますが、学力を伸ばす勉強には、明確なロジックがあると考えています。
多くの人は学力をセンスや才能のたまものだと考えていますが、実際にセンスが必要となるのは、ごく一部の天才同士の戦いに限られます。ほとんどの子どもにとっては、そもそもセンスは必要ありません。
また努力は必要ですが、どれだけ長時間勉強しても、正しい努力でない限り結果がともなわないのは、社会人にとっての仕事とまったく同じです。
本書は、学力が伸びるメカニズム、「わかる」ことのブラックボックスを可視化しながら、どんな子でも学力を伸ばせる考え方や手法をお伝えします。
•勉強はしているのに、どうしても子どもの成績が上がらない
•子どもの中学受験を考えていて、もっと効果的な勉強法を知りたい
•受験勉強には反対だが、子どもに将来役立つ学力を身につけてほしい
•子どもに自分から勉強してもらいたいと思っている
•自由放任で育てたら、子どもが全然勉強しないと悩んでいる
•夫婦間で、子どもの勉強への取り組みに熱の違いがある
こうした方に、本書はとくにおすすめです。
多くの人は、子どもの学力を伸ばすために、問題を解く魔法のノウハウや、「センスのいい考え方」を期待するかもしれません。しかし、そうしたものは存在しません。
学力が伸びるプロセスを分解すれば、基礎となる知識の「点」を増やして、それを効果的につなげて「線」にしていくということです。言い換えると、「つながる」ということが、「わかる」ということです。
算数には問題を解く土台としての「九九」がありますが、実はほかの教科にも「九九」にあたる基礎があります。それを反復トレーニングで学び、基礎同士を上手につなげること。学力が伸びる構造は、センスではなくロジックなのです。
本書では、男の子の学力を伸ばすために、親ができることすべてを紹介しました。
まず、序章で「学力を伸ばす基本的な考え方」をまとめています。第1章では、「男の子の本能的な7つの特徴」について、第2章ではその特徴を活かした、「学力を伸ばす5つの絶対法則」について解説します。
第3章では、「考える力を養う13のコツ」、第4章では男の子がとくに苦手な「目標・計画術のテクニック」を紹介します。第5章は、具体的に、算数・国語・理科・社会の成績を効率的に上げる「必修4教科の勉強法」を細かく見ていきます。そして、第6章で男の子が「自主的に学習するための習慣づくり」を、最後の第7章では、「成績を伸ばせる親の習慣術」をまとめていきます。
本書は、あくまで学力を伸ばすための入口に限定していますが、そのために親ができることすべてを1冊で網羅した内容となっています。試せるところから、ぜひ実践してみてください。
子どもたちには、親が考えている以上に潜在的な力があります。
左脳が発達していない男の子は言葉足らずで、親から見るとなんとも頼りなく感じるはずです。しかし、彼らはあるとき、ちょっとしたきっかけで大化けします。ここが、男の子の面白いところです。
本書が、その能力を引き出す一助になれば、著者としてこれ以上嬉しいことはありません。