注目されたクルーズ船告発の岩田教授の動画
告発して病死した李文亮医師と「同一視」の声

 日本でも大きな話題となったが、感染症の専門家である神戸大学の岩田健太郎教授がダイヤモンド・プリンセスの内部がとても悲惨な状況であるとした「告発動画」も中国中に拡散され、ネット上で大きな反響を起こしている。

 特に「アフリカにいても中国にいても怖くなかったわけですが、ダイヤモンド・プリンセスの中はものすごい悲惨な状態で、心の底から怖いと思いました」などの発言に、大勢の中国人は驚いた。

 この動画については後日、岩田教授の乗船に協力した知人の高山義浩医師が「岩田先生の動画には一部に誤解や間違いがある」として、Facebookに当時の状況を詳細に説明する投稿をし、両者が円満な話し合いの結果、お互いの主張を認め、岩田教授が日本語版と英語版の動画を削除した。こうした事情は、多くの日本人にとっては周知の事実だが、中国では岩田教授はいまだに「権力に抵抗した英雄」と見る向きが強い。

「日本政府は武漢政府と同じだ。この先生は“日本の第一吹哨人(一番最初に警告をした人)”だ、日本版李文亮医師だ!」(李文亮医師は、武漢市中心医院の医師で、昨年末に新型コロナウイルスによる肺炎の流行の時、医療関係者として内部告発した最初の数人のうちの1人。武漢市当局にデマ拡散の疑いがあるとされて、懲戒書への署名を求められた。その後自身が感染し2月6日に死去。中国全土から追悼の旋風が巻き起こり、英雄とされた。「ノーベル平和賞を与えるべき」などの声が上がり、WHOもツイッターで追悼文を投稿した)

 そして、2月20日には、岩田教授がユーチューブの告発動画を削除したことを受け、中国のネットでは「これは明らかに日本政府からの圧力があったの違いない、残念だが中国に似ている」との見方が大半であるようだ。

中国から「マスクを送ろうか」との声に
筆者は複雑な思い…

 このほか、日本については、下記のような声も多く寄せられている。

「日本は、中国のように一気に14億の人民に『外出禁止、マスク着用』『14日間の隔離』『街を封鎖』などの強制命令はできないだろう」

「中国のように全土から軍医を含む約3.5万人の医療従事者を武漢に支援部隊として派遣したり、支援物質を各地から送ったりすることや、10日間で1000ベッドの病院を完成させるなどのことも無理があるだろう」

「1月末から2月初旬までのゴールデンタイムを逃してしまって、もっと早く手を打つべきだったな」

 などなど…。