実際、日本在住の筆者の元にも、ここ数日間、中国にいるたくさんの友人から心配の声がひっきりなしで届く。
「絶対外出するなよ!ちゃんとマスクをしてね!」
「日本の医療が進んでいるかもしれないが、今回のウイルスは大変複雑で甘く見てはいけないよ!」
その中でも「日本ではマスクが売り切れと聞いているので、こちらから送るよ」という声もあった。つい最近までは逆の立場だったのに、筆者はかなり複雑な気持ちになった…。
現在の日本でのマスク不足についても興味を持つ人が多く、たくさんの声があがっているのだ。
これには、もともと中国のネットで、在日中国人や旅行中の中国人がマスクを大量に買い占めたり、大勢の人が中国に寄付していたという話題が多く拡散していたことが背景にある。このため、なんとなく後ろめたいような気持ちもあるのかもしれない。
「大変に申し訳ない」
「もういいから、もう送らないでください、自分のために残してください!」
「日本のマスクの7割を中国で生産しているので、もっと生産して送ります!」
といった声も相次いで投稿されている。
日本に対しては
好意的な情報が多い
今回の新型コロナウイルスに関しては、日本から中国への支援活動が積極的に行われ、中国政府をはじめ、多くの中国国民が非常に感動し、現在でも感謝の言葉がSNSにはあふれている(以前の記事「新型肺炎が猛威をふるう中国で、日本の対応がやたらと称賛される理由」参照)。
これは日中両国ともに大きな話題となった。漢語水平考試(HSK)日本事務局が、中国湖北省に送る支援物資の段ボールに添えた1枚のメッセージ「山川異域 風月同天」は、流行語となったほどだ。また、つい最近では、日本政府(正確には、自民党のようだ)が議員から1人ずつ5000円を出してもらって支援金として中国に送るというニュースや、東京都知事が「雪中送炭」(雪の中で炭を送る。困っている人に援助の手を差し伸べるという意味)という言葉を述べ、10万着の防護服を贈ったというニュースも話題になったほどだ。