また、個人のビッグデータを活用したオンラインターゲティング広告やマーケットプレイスでの物品販売や遊休資産活用のシェアリングサービスなどこれまで存在しない新たなビジネスが生まれている。

 そしてこのようなサービスを提供するが巨大なプラットフォーマーが、国境を超えて全世界にビジネスを展開し巨額の利益を上げている。

 一方でこうしたGAFAに代表される米国IT企業は、サービスを提供する消費国に、課税権の根拠となる支店や工場といったPE(恒久的施設)を持たずにビジネスが展開できるので、消費国は入るべき税収が入ってこないという問題(税収不足)があった。

 加えてIT企業の多くは、企業価値の源泉である著作権や特許権などの無形資産を、アイルランドなどの低税率国やタックスヘイブンに移転させ、そこに所得を集中させて租税を回避するというプランニングを行っている。

 欧州委員会の調べでは、伝統的ビジネスモデルの税負担率が23.2%に対してデジタルビジネス企業は9.5%と、半分以下の負担になっている。

 この結果、きちんと納税する自国競合企業との競争条件の公平性(レベル・プレイング・フィールド)も問題になっている。

 デジタル経済の下での国際課税の議論は、多国籍IT企業の本拠地である居住地国(多くの場合は米国)と、低税率などでこうした企業の地域拠点を誘致してきた軽課税国、さらには企業が実際にビジネスで利益を上げている消費国(欧州、日本、新興国、途上国)との間の税源(課税ベース)配分を巡る争い(再分配)だ。

 これまでOECDやG20で議論されてきたが、今回のG20では、OECDでとりまとめ、今年1月、タックスヘイブンも含む137カ国・地域で基本合意された「デジタル経済の下の新たな国際課税ルール」について改めて確認した。

 基本合意は、多国籍IT企業の租税回避行為を抑止して全世界レベルでの税収増加をも視野に入れたもので、OECD事務局の試算(2020年2月)では、制度が機能すれば全世界レベルで法人税収は年間1000億ドルの増加が見込まれている。