「気軽さ」か「高級感」か
かぶらないスタイルが生き残りの鍵

 閉店する店が多いなか、積極的に新店舗を出すことで他店との差別化を図ろうとしているブランドが「Gong cha」だ。

「大人気となったタピオカですが、都心部以外での盛り上がりはまだまだ。『Gong cha』は地方での盛り上がりを狙って、地方都市で大人数が集まりそうな大型ショッピングモールへ次々に出店を進めています」

 実際、今春には北海道内に新店舗がオープンする予定だ。同店のように地方にも店舗を増やし、いつでも、どこでも、誰でも、気軽に楽しめるブランドを目指すところもあれば、特別な雰囲気づくりに注力するところもある。

「『春水堂』は第3次ブームでは珍しいカフェスタイルのお店です。回転率を上げた販促方法は姉妹ブランドの『TP TEA』というドリンクスタンドに任せ、『春水堂』自体は、商品や店内空間のトータルの『高級感』や『居心地の良さ』をアピールポイントとしています。あらゆる場所に店舗を増やすのではなく、一店一店の店舗を、深く愛される店にすることに努めている傾向がありますね」

 どちらの戦略が優れているというわけではなく、それぞれの個性が固定ファンの獲得につながっているのだ。第3次ブームが終わった今、淘汰されないためには、そのブランドだけのオリジナリティーが不可欠となる。

 ブランドごとの個性の出し方は、メニューや店舗の展開方法にとどまらない。飲み歩きが主流となった第3次ブームで社会問題となったのが、容器のポイ捨てや、指定されたゴミ箱以外への投棄だ。「春水堂」はこうした環境問題にも取り組み、他ブランドとの違いを見せている。

「『春水堂』では月に1度、表参道周辺のゴミ拾い活動を行っています。表参道はタピオカ専門店が集結するエリアなので、多くのプラカップが落ちているのです。渋谷区に『#タピゴミ0活』を掲げる組合があり、幾つかの店舗が参加しています。かつては『CoCo都可』も『エコトカ』というゴミ拾い活動を行っていましたが、現在ブランドを挙げて取り組んでいるのは『春水堂』のみのようです」

 こうした社会貢献は、売り上げに直結はしないものの、世間からの印象アップや社会的信頼を増す効果があり、将来的な販売増につながるのだという。

 また、人気店が避けては通れない問題が行列だ。近隣施設に迷惑がかかるのはもちろんのこと、1人のリピーターも逃したくない大手チェーンにとって、待ち時間というネックを抱えていては、せっかくの客が他店に流れてしまいかねない。

「こうしたさまざまな理由から、『春水堂』と『THE ALLEY』は、モバイルオーダーのサービスを開始しました。アプリで事前に注文を済ませれば、店に行って行列に並ぶことなく商品が受け取れるのです。決済もオンラインで行えるので、非常に便利だと注目を集めています」

 本来であれば環境問題や行列整備などは、業界で一丸となって取り組めば早いのだろう。しかし、こうした取り組みも「個性」になるため、今はまだ実現が困難だという。