例えば、今年の消費税徴税を全て停止して、その後、段階的に引き上げていくような政策が、国民の所得補填と消費喚起に対する効果が直接的かつ公平でよいのではないだろうか。消費者の実質的な購買力がただちに増える即効性も好ましい。

 事業の実行にも需要への波及効果にも時間がかかり、メリットを受ける主体が偏る公共事業や住宅関連減税のようなものよりも、筋が良い。

 現実にありそうなのは、キャッシュレス決済のポイント還元の拡大や延長のような、せせこましくて面倒なものを小出しにして様子を見るといったことだろう。だが、経済の本格的な失速を避けるには、もっとシンプルでインパクトの大きな政策を「一気に」打ち出すべきだと考える。

コロナショックの悪影響は
破滅的ではないが長くかかる?

 筆者個人の印象と解釈だが、わが国の新型コロナウイルスに対する対策は、半ば意図的に検査数を減らして、重症患者への対応に重点を絞り、医療崩壊を避けながら、経済活動への影響を小さく留めようとするものに見える。

 感染しても発症しなかったり軽症ですんだりするケースが多いことから判断して、検査を多数行うとかなり多くの感染者が見つかるのだろう。きれい好きで健康に敏感な国民性を考えるに、軽症の患者が一気に病院に集まると感染症に対応できる病院の病床数が足りなくなる心配がある。

 また、欧州の一部の国のように、飲食店まで営業を停止させるような措置は経済に対する影響があまりに大きい。

 ウイルスの性質はいまだよく分かっていないし、より悪性のものに変異する可能性もある。それでも「感染力は強いが、多くは無症状か軽症で、高齢者等一部が重篤な症状に陥る感染症」だと考えると、(1)国民に衛生・予防の意識を持たせながら、(2)学校や会社の出勤をほどほどに間引きし、(3)通常の経済活動を続けながら、(4)重症患者への対応に重点を置く、という当面のやり方は、案外うまくいく現実的な対応なのではないだろうか。