特にお勧めしたいのが現状分析です。社内で起こっていることをデータで確認したことはありますか。例えば離職率や勤務時間、残業時間などを洗い出してみると、問題が浮き彫りになることがあります。あるいは社員やアルバイトの評価は長期的に見て上がっていますか? 現状を知ってこそ、何をすべきかが見えてきます。たとえば、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)を社内で行えれば、外部講師を雇うコストはかかりません。
教育したにもかかわらず
人財として育っていない理由
この4月に上梓した『全員を戦力にする人財育成術』では、人財育成に向けて「グローイング・サイクル」を回すことを提唱しています。簡単に言えば、「1 基準を示す」→「2 教える(教育をする)」→「3 要求する」→「4 評価する」というサイクルを回すことです。「基準を示す」ことは、言い換えれば誰に何をやってもらうのか、仕事の定義をすること。店長にはどんな仕事をしてもらいたいのか、整理するだけでも違ってきます。
基準を示したら、それをOJTや研修などの「2 教育をする」とともに、学んだことを現場で実践するように「3 要求」し、それを「4 評価する」仕組みがあってこそ、人は成長します。
「教育したが、人財として育っていない」という経営者がいるとすれば、それはこの4つのサイクルがきちんと回っていないためなのです。