これらの制度は、収入が減少すれば申請することができる。ところが、現実的に生活が困窮する深刻な状況が目に見えて現れるのは、これから先になるだろう。

 置かれている状況や立場によっては、「うまく活用すると、とてもいい制度になるのではないか」と、木村氏は言う。

自分の命や生活を守るため
諦めることなく制度を利用すべき

 他者に遠慮深くて、お人好しが多いのは日本人の美徳である。一方で、「他人様(ひとさま)に迷惑をかけてはいけない」からと周囲に気遣い、争いや傷つけ合うことを回避してきたからこそ、数多くの人たちがリアルな社会に距離を置き、引きこもっていく背景にもなった。

 これからやってくる未知の時代、自分の命や生活は自分でを守るためにも、あきらめることなく制度の情報を収集して、周囲に遠慮などしないで申請しよう。

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(ジャーナリスト 池上正樹)