やりたいことを書き出しても、いつでも捨てていい
桜林: カツセくんは「やりたいこと100個」、書けますよね? 仕事に限らず、なんでもいいからしたいこと。
カツセ: 実現度は無視していいんでしょ? いくらでも書ける気がする。
桜林: ちょっと言ってみて?(笑)
カツセ: 今日の帰り道は電車の乗り継ぎがうまくいってほしい、最寄駅からはタクシーで帰りたい、支払いの時に小銭をぴったり使いきりたい、コンビニで推しスイーツを買いたい、とか……。今ここからどうしたいかを考えていますが、一番遠くにある夢もあって、そこから逆算したら、余裕でやりたいこと100個ありますね。
桜林: でしょ。私は15個くらいしか書けなかった。その違いがずっと気になっていて、書けない理由を探るという苦行をしていたんです。そこには、ガマンの蓋や恥があって。書いたらやらないといけないプレッシャーもあった。でも、夢組の友人のリストを見て「それもありか」って思って、それこそ帰り道に何をしたいかとか、小さなことでもいいからなんでも書き出してみたら、だんだん自分の欲の傾向が見えてきた。
カツセ: 書き出したからといって、全部やるかというとそうではなくて、やりながら見えてくることもあるし、変わってくることもありますしね。実際に僕、ライターになった時にやりたいことを書き出してFacebookに投稿したんですが、その中に「東京五輪の仕事をする」があったんですよ。でも、今はそうは思わくて。そもそも自分がスポーツにそこまで興味がなかったことにも気づいた。当時、他人の目から見て、五輪の仕事をしていたらかっこいいだろうと思ったけど、自分がやりたいわけではなかったんですよね。
桜林: 違ったことに気づいて、捨てられるのはいいことだよね。目標を決めたからといって、違うのに突き進んでいたらそれはガマンだから。書いたことが呪いになっちゃうこともあるけど、いつでも捨てていい。目標とかじゃなくて、これ好きくらいの気持ちで書いていいんだよね。