返済不要・利息なしの奨学金を申し込むなら
春に動かないと手遅れ
返済不要の「給付型奨学金」も含め返済が必要な「貸与型奨学金」も、日本学生支援機構(JASSO:ジャッソ)が行うため、毎年春先に学校を通じて開催される奨学金説明会で概要を知ることができる。
開催時期は各学校に委ねられているが、今年は新型コロナウイルスの関係で、4月以降の開催が多い。奨学金の説明会は、高校等によっては秋にも開催されることがあるが、このときは利息ありの第二種「貸与型奨学金」しか申し込めない。つまり、「給付型奨学金」や利息なしの第一種「貸与型奨学金」といった有利な奨学金については、春しか申し込みを受け付けていない点は覚えておこう。
親が気を付けておきたいのは、子どもが説明会のプリントを持って帰ってこなかったり、我が家には不要と勝手に思い込んで親に見せず、気が付けば説明会が終わっていたりということがありがちな点だ。抜かりなく備えるには、奨学金について検討している旨を早めに進路相談の先生に相談しておくことがおすすめだ。説明会の日程を教えてもらえたり、後の手続きを円滑に進めたりするのに有効だ。この春は特に、緊急事態宣言が発令された地域では5月6日までに開催予定だったガイダンスは全て中止・延期になっている。今後の対応について学校からの連絡を聞き逃すことのないよう、子どもにも徹底しておきたい。
奨学金の申し込みをすると、採用候補者と決定された人には、高校などを通じて12月頃に採用候補者決定通知が交付される。あとは、大学に無事に進学した段階でJASSOに進学届を提出すれば、大学1年生の5~6月頃には奨学金の受け取りが始まる流れだ。
なお、「入学金・授業料の減免」については、奨学金の手続きとは別で、進学後に進学先の学校で手続きを行うことになる。
気を付けたい“支給の打ち切り”
耳に心地よい言葉ではあるものの、奨学金ははっきり言えば「借金」だ。これは、「給付型奨学金」であっても基本的には同じ。申し込む際だけでなく実際に奨学金が支給され始めてからも、「優れた学生等」であることが求められる。
要件を満たさなければ返還を求められることもある。奨学金を利用したからには、奨学金を受けるに値することを学業成績でもって証明する必要があることは覚えておきたい。