自衛隊に感染症対策の任務
医官や看護官を増員

(4)国民生活安定措置法や買い占め・売り惜しみ防止法との連携を規定する。

 今回はマスクの不足が国民の不安を高めた。マスクを買い求める行列ができてからも、売り惜しみ・買い占め防止やインターネットオークション出品禁止に時間がかかった。

 基本法のもとに、必要な法律を速やかに発動できるように決めておき、あらかじめ政府の行動マニュアルを作成しておくとスムーズに対応できる。

(5)自衛隊に感染症対策の任務を付与する。

 世界中で、軍隊が感染症対策に貢献している。今回、日本では自衛隊は「災害出動」として自主出動している。自衛隊法を改正して、感染症対策を自衛隊の任務として明確にする。

 そうすれば、専門の自衛隊員、医官、看護官の増員や、医薬品、医療機器、医療用品の備蓄に必要な予算が手当てできるようになる。

「医療自給率」を高める
医薬品備蓄やバックアップ施設

 基本法の策定に続いて、第二に必要なことは、医療関係自給率の向上を政策として打ち出すことだ。

 今回、マスクのほかにも、人工呼吸器や防護服などの不足で混乱に陥った。日本は医薬品、医療機器、医療用品の輸入依存率が高いが、新型コロナウイルス問題を機に、医療物資が国際的に戦略物資になったので、外国依存のリスクが一層大きくなった。

 石油ショックのあと、エネルギー自給率の向上に努めたことを参考に、医療関係自給率の向上を目指すことにし、国内生産設備を増強すべきだ。

 これは民間企業に任せておいては実現しない。政府が目標を作り、財政や税制面で支援策を行うことが必要だ。

 また医療崩壊を防ぐために、「医療備蓄」やバックアップ制度も作る必要がある。

 世界各地で感染症患者が急増し、医療サービスの供給能力を上回り、医療崩壊が起きた。

 政府は治療薬アビガンの備蓄を決めたが、感染症はこれからも発生する恐れがあるので、医師、病床、医薬品、医療機器、医療用品の大幅な確保・備蓄・バックアップを考えるべきだ。

 自然災害の時の避難所と同じく、平時は集会所、スポーツ施設、会議場、ホテルとして使い、緊急時はこれらの施設を臨時病院として使うような仕組みを作ることが必要だ。

 医療機器などは国内生産設備の増強と備蓄を組み合わせると良い。

 石油ショックのあと石油備蓄制度を作った経験が参考になる。