住宅ローン返済が難しいときに
「最初にすべきこと」

 では、住宅ローン返済が困難になりそうなときに「最初にすべきこと」は何か。延滞する前にすべきなのは、借りている銀行に相談すること。このように言うと、多くの人から「銀行に相談!? 返せないのに何を相談するのですか?」と驚かれる。

 昨年、NHKのクローズアップ現代プラスの「密着!住宅ローン破綻 サラリーマン危機最前線」特集に出演した際、打ち合わせで「破綻しそうになったら何をすればいいですか?」と尋ねられ、「延滞する前に銀行に相談」と答えたら、武田真一キャスターをはじめスタッフ全員、「銀行に相談ですか!」と驚きの表情だった。

 多くの人は、借りている銀行に「返済できない」などと本当のことを話してしまうと、何か恐ろしいことになると思うようだ。それはそうだろう。相談した際の具体的なイメージがわかないと、不安に感じるのは当然だ。

 なぜ、銀行に相談すべきなのか。金融機関は09年に施行された法律(中小企業金融円滑化法)により、借入金の返済が困難になった個人、中小企業等に対して、返済条件の変更に応じる義務があるからだ。

 返済条件の見直し(リスケジュール、以下リスケ)には、主に次のようなものがある。

(1)一定期間の返済額減額
(2)一定期間の元本据え置き
(3)返済期間の延長

 いずれの見直し方法をとっても、毎回の返済額は減額になる。このほか、ボーナス返済を取りやめて毎月返済のみへ変更という手段もある。

 金融機関は、借り手の収入減等の背景をよく聞いた上で、その人(企業)の状況に応じたリスケを行うことが義務付けられている。中小企業金融円滑化法の特筆すべき点は、金融機関が監督官庁である金融庁に虚偽報告した場合に罰則規定が設けられていること。「ちゃんとやらないと罰がある」のは金融機関にとって怖いことなので、ちゃんと相談に応じる仕組みが整っているのだ。