「返済期間の延長」の見直しは
老後への負担先送りなので禁じ手

 ただし、リスケには注意が必要な点がある。リスケで毎回の返済の金額が少なくなればなるほど足元の家計は楽になるが、将来のローン返済が苦しいものとなるのだ。具体例で見てみよう。

◆5年前に4000万円を金利1%、返済期間30年で借りたケース
毎月返済額は、12万8655円。
見直し実行時の61回目の返済額の内訳は、利息2万8448円、元本10万207円。

(1)「一定期間の返済額減額」でリスケした場合

 たとえば、これまでの返済額の半分である6万円なら返せると金融機関に申し出たとする。「借金取りの法則」はまず利息を取るので、6万円から利息額2万8448円を引き、残り3万1552円が元本の返済に充当される。

 本来であれば、今月は約10万円が元本に充当するはずが、返済額減額によって約3万円だけに。これにより、ローン残高減少のペースが落ちる。

(2)「一定期間の元本据え置き」でリスケした場合

「据え置き」とはマイルドな表現だが、借金取りの法則上は「利息だけは全額払ってね。その間は元本には1円も充当されないから、ローン残高は減りませんよ」という意味だ。

 このケースだと、当面は2万8448円の利息分だけ払っていく。元本が1円も減らないのは、ばかばかしい。

(1)と(2)の「一定期間」とは、金融機関によっても異なるが、「まず半年くらい様子を見ましょうか」とか、「お子さんが大学を卒業する来春までを目途としましょうか」など、半年から1年程度の場合が多い。一定期間が経過すると、再度相談し、元に戻す場合はリスケ前よりも返済額は増える。

(3)「返済期間の延長」でリスケした場合

 文字通り、当初約束した返済期間を延長すること。このケースは30年返済で借りているので、残りはあと25年。それを15年間延長すると、毎月の返済額は8万6325円と、それまでよりも約1万4000円減る。