近年、日本人の健康意識の高まりや筋トレブームで、多くの人から注目を集めている「タンパク質」。なかでもプロテインは、タンパク質を効率的に摂取できるため、多くのトレーニーやダイエッターに愛用されている。しかし、正しい摂取法を守らないと、むしろ健康を害する要因となる恐れもあるという。(清談社 鶉野珠子)
プロテインの摂取目安量を
正しく知っておこう
体づくりに気を使う人にとって欠かせないのがタンパク質だ。特にプロテインは、今や老若男女問わず、多くの人々が生活に取り入れている。
パウダー状のプロテインを水や牛乳などで溶いて飲むドリンクタイプが主流だが、最近はドリンクタイプのほか、「プロテインバー」などのスナックタイプも増えている。また、プロテインではないが、「サラダチキン」などの高タンパク食品もスーパーやコンビニで売り場を増やしてきている。
また、プロテインは筋トレやダイエット目的以外に、美肌の効果なども得られるため、美容目的で摂取する人も少なくないという。
さまざまなシチュエーションで用いられているプロテインだが、人それぞれの体重、運動量によって、1日の規定摂取量が変化するそうだ。薬剤師で、自身も日々の筋トレと、トレーニング後のプロテイン摂取を欠かさないという小谷寿美子氏 が、1日の摂取量の目安を教えてくれた。
「トレーニングをした日は、体重1kgにつき1.5g~2gのタンパク質が規定量です。体重60kgの人であれば120gですね。この量は、食事だけではなかなか摂取できない量なので、プロテインドリンクなどで補うと良いでしょう。一方、運動をしてない日は、体重1kgにつき1gのタンパク質が規定量で、体重60kgの人なら60gとなります。もし体を動かしていない日に、動かしている日と同量のタンパク質を摂取した場合、取りすぎになってしまいます」(小谷氏、以下同)
種類やメーカーによって異なるが、プロテインドリンク1杯で摂取できるタンパク質の量は、約20g。トレーニングの前後に飲む分には問題ないが、デスクワークだけをする日に、水代わりに何杯も飲むなどしてしまうと、健康を害するリスクがあるという。