データに基づく事実の確認が導き出す
「7つの教訓」

 まず、扱ったデータを説明する。出所は厚生労働省健康局結核感染症課「新型コロナウィルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について」だ。これによると、4月26日時点で累計712人の感染者がいて、649人が退院し、死亡者が13人いる。他にチャーター便で帰国したものが40名いるが、この内訳は分からないので無視して分析を進める。これは感染者のうち退院者と死亡者を過小に評価することになる。

 また、厚労省のデータには入院者数がないので、「現在の入院者数=患者数−退院者数−死亡者数」としている。入院者数は、医療供給体制を考えるためには重要な指標であるにもかかわらず、そのデータがないのは残念だ。

 以上のデータに基づき、主要な事実を確認する。次の図1は、全乗員・乗客のうちの感染者の比率と感染者のうちの無症状者の比率を示したものだ。

 また、次の図2は、感染者に占める死亡者・重症者の比率と、全乗員・乗客のうちの死亡者・重症者の比率を示したものだ。

 作図の関係から図1、2を前後して見ていただくことになるが、この2つのグラフから次の7つのことが分かる。

(1)全乗員・乗客に占める感染者の比率は急速に上昇したのち20%以下で収まっている
(2)全乗員・乗客数のうち死亡者の比率は0.4%
(3)感染者のうちの死亡者の比率は1.8%
(4)感染者のうちの重症者の比率は当初5%(全乗員・乗客に占める比率は0.9%)から急速に低下して0.6%(ただし、重症者35人のうち死亡したものが7人いる。現在重症者+重症者から死亡した人の比率は1.5%)。
(6)感染者の5%が重症になるが、手当を受ければその半分以上は助かる
(7)感染者のうちの無症状者の比率は50%弱と高い。途中、60%弱から低下したのは検査体制が整って、より多くの感染者を見いだしたからだろう