ダイヤモンド決算報#住友商事
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昨年、創立100周年を迎えた住友商事が試練にさらされている。コロナショックの深刻度は総合商社の中で最も“ヤバイ”とされ、2020年度は1000億円以上の利益が吹き飛ぶ可能性もある。経営が苦しくなると決まって浮上するのが、あの商社との合併論だが……。(ダイヤモンド編集部 重石岳史)

鋼管、航空機リース、資源…
コロナで炙り出される“ヤバイ”ビジネス

 「全社一丸となってあらゆる手を打ち、この難局を乗り越え、早期に持続的な成長軌道への回帰を目指す」。5月11日に開かれた決算説明会。住友商事社長の兵頭誠之氏は足元の事業環境を「難局」と表現したが、同社は今まさに、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う“三重苦”に直面している。

 その一つ目が、鋼管ビジネスだ。

 2019年度は600億円規模の減損や在庫評価損を計上し、金属事業部門全体の純利益を500億円の赤字に沈めた。鋼管の純利益は通常、部門の4〜5割だが、こうした一過性損失を除いても2割程度に縮小。一過性のみならず、基本的な稼ぐ力の劣化が顕著になっている。

 その要因は、原油価格の下落にある。石油や天然ガスの採掘に利用される油井管の主要な顧客は、北米のシェール事業者だ。だが原油価格の暴落により多くの事業者は採算割れを起こし、採掘稼働数(リグカウント)は1年前の半分以下に減った。

 米国の鋼管価格は20カ月連続で下落しており、住友商事の鋼管ビジネスはその影響をもろに被っている。コロナによる移動の制限などで燃料需要が減っており、原油の価格低迷は長期化する見通しだ。

 かつて住友商事の金属事業は、社長就任の必須条件とされた花形部門だった。だが、その栄光は見る影もなく凋落し、今や会社の業績を下押しする“お荷物”と化してしまった。