そんなWEB面接の3つの落とし穴にどう対処すればいいのか。

「熱量が伝わりにくい」ことへの対処法としては、いつも以上に表情を豊かにしたり、身ぶり手ぶりを入れたりすることも大事だが、長内氏はあえて「別の方法」にシフトすることを勧める。

「熱量が半減してしまう分は、別の要素でカバーする方がいい。それは『論理的な話し方』を心掛けること。結論を最初に話し、結論にひもづく理由を述べ、最後にまとめるような話し方を意識すると、面接官が分かりやすく評価できる」(長内氏)

長内孝平長内孝平(おさない・こうへい)
1990年生。米ワシントン大学留学、神戸大学経営学部を卒業後、新卒で伊藤忠商事株式会社に入社。会計・税務を専門にトレード・投資案件のプロジェクトに従事。2018年7月に同社を退職後、Youseful株式会社を創業。10万人強が登録する日本最大級 のキャリア教育番組「トップ就活チャンネル」「ベスト転職チャンネル」を運営する。

「話し過ぎる」ことへの対処としては、まずWEB面接では聞かれた質問に端的に答えること。プラスアルファを求められていたら、さらに答えるようにすればいい。

「タイムラグ」で会話がかぶってしまった場合の対処としては、必ず相手に譲ること。

「面接官は面接で学生のコミュニケーションスキルを見ている。会話がかぶった場合は、基本的には相手の話を優先して聞くこと。一方で、面接官が立ち止まったときには、タイミングを見極めて話し始めるといい」(長内氏)

 こうした3つの落とし穴を克服し、WEB面接に慣れるためにも、「友人同士で学生・面接官の両方の立場になって、模擬のWEB面接を絶対やるべきだ」と長内氏はアドバイスする。

失敗しないWEB面接のポイント
「ネット環境」「ライティング」「目線」

 では、WEB面接で勝つためには何が必要なのだろうか。

 長内氏は「基本的には、面接は対面であろうとWEBであろうと勝つためのポイントは変わらない」と言う。自分らしさをいかにエピソードで伝えるか、自分の熱量をいかに伝えるか、相手の質問の意図を理解し、いかに的確に答えるか。

 ただし、WEB面接特有の失敗しないためのポイントもある。「インターネット環境」「ライティング」「目線」だ。

「通信環境が悪ければ、音声が途切れたり、最悪つながらなかったりすることもある。まずは自宅の通信環境の状況を確かめた方がいい。インターネット回線の速度を測るサイトで簡単にチェックできる。あまりに通信速度が遅いようであれば、通信会社を見直したり、それが難しければ、友人の家やネットカフェの個室などを借りたりして、対策をしてほしい」(長内氏)

 また、デバイスの準備も重要だ。スマートフォンで面接に臨む就活生も少なくないようだが、長内氏がベストだというのがパソコン。スマホは確かに便利だが、途中で通知が来たりすれば通信が途切れてしまうなど、弊害も大きい。