「オンライン上で決済が完了してしまうということは、詐欺行為もオンライン上で完結するということ。つまり、加害者は被害者と顔を合わせずとも、お金をだまし取ることができるのです。犯人の特定が難しい点も、お金を取り返しにくい一因になっており、被害者が『しょうがないか…』と泣き寝入りする状況を作り上げています」

 ニュースに取り上げられる詐欺は、1人が数百万~数千万円のお金をだまし取られるというケースが多い。しかし、「ちりも積もれば」の精神でコツコツとキャッシュレス詐欺行為を働く犯人にかかると、多くの人が気づかぬうちにお金をだまし取られてしまう可能性があるのだ。

 とはいえ、オンライン上の詐欺でも、1件で数千万円規模の被害が出ている事例も、もちろんある。

「多いのは、『仮想通貨』に関する詐欺ですね。要求される額は数百万~数千万円と大きいのですが、仮想通貨という形にすることで、やはり『お金が出ていく』という実感が乏しくて、支払ってしまう人が多いようです。もしも『仮想通貨を使って投資をするともうかるよ』というような誘い文句を言ってくる人がいたら、よく確認をしたほうがいいでしょう」

「ポイントをキャッシュバック」!?
巧妙なだましの手口

 また、オンライン上ではないが、キャッシュレス決済の特性を悪用した対人の詐欺も横行しているという。

「キャッシュレスで決済をすると、ポイントが還元される事業が実施されていますよね。ここに目をつけ、『還元分のポイントをキャッシュバックするので、口座情報と暗証番号を教えてほしい』という詐欺の手口が登場してきているのです。もちろん、そんなキャッシュバックは行われていませんし、たとえ本当にあったとしても、口座の暗証番号が必要なことはありえませんよね。しかし、最新サービスの情報に疎い高齢者は、『よく知らないけど、そういうサービスなのかも…』と、だまされてしまうのです」

 古典的な方法であるが、最先端のサービスが絡むだけで、意外とだまされる人が少なくないという。

 サービスそのものを悪用した詐欺のターゲットは、実は若い学生層がメインだ。