バレーボールをする子どもPhoto:Trevor Williams/gettyimages

ほめることで人と組織を活性化する「ほめ達」の効果は、何もビジネスだけの話ではない。スポーツにおけるチーム力の向上においても、大きな結果を残すことが可能である。今回はバレーボールの元日本代表である益子直美さんの取り組みを紹介する。(一般社団法人日本ほめる達人協会理事長 西村貴好)

監督も指導者も
どならず怒らない

「絶対に怒ってはいけないバレーボール大会」というものがあります。

 正式名称は、「益子直美カップ小学生バレーボール大会」。

 バレーボール元日本代表の益子直美さんが主催されており、今年1月で6回目を迎え、今では約600人もの小学生たちが参加する大会となりました。

 参加する50チームの指導者は、選手にどなってはいけないし、怒ってもいけません。もし、選手に対して怒る監督がいれば、益子さんがその監督に注意しにいきます。

 絶対に怒ってはいけないバレーボール大会という意義を分かって参加しているチームばかりなのですが、それでも怒る監督は皆無という訳ではありません。

 勝ちたいという気持ちが高まり、熱くなって、ついつい言葉がきつくなり、そのうち選手にどなりだします。

 すると、そこに益子さんが登場し、監督に注意するのです。怒り方によっては、表に赤でペケ(ばつ印)が書かれた特製マスクを着けさせられる監督もいます。