死に至るほどの重症例はウイルスの排出量が多く、そこでクラスターを起こしているケースも多いと思われる。筆者は、医療レベルが高い日本において死亡者が見逃される可能性は少ないと思う。

 従って「人口当たりの死亡者数」は、「新型コロナウイルス対策をしっかりやった証」としてふさわしいと考えている。

 この数字において日本は、欧米と比べると二桁少ない。

 例えば、人口当たり死亡者数が世界一のスペインでは、人口100万人当たりの死亡者数は500人を超えているが、韓国や中国よりも、やや多いといった結果になっている(日本は数人以下)。

アジア同士の比較
新興国でも死亡者は少ない

 ここで出てくる議論が、確かに日本が欧米に比べ死亡者数が少ないことは評価できるが、すでに感染をほぼ抑え込んだとされる韓国や中国、さらには表1を見ていただければわかるように「アジア諸国も死亡者数が少ないのではないか」というものである。要するに「日本が素晴らしいのではなく、アジアに何らかの要因があって感染対策がうまくいっているのだ」という主張である。

 韓国の医療レベルは日本と比べても、さほど遜色ないので納得できるとしても、中国や東南アジアの国々のほとんどは日本に比べて医療レベルは低い。なのに「新型コロナウイルスの死亡者数が少ないのはどうしてなのだろう」という疑問が出てくる。

 中国については、現在はほぼ沈静化しているが、統計に対する疑問もあるので、ここからは、中国は外してほかの東南アジア諸国やインド、フィリピンといった新興国と比べてみよう。

 ただ、新興国においては、コロナウイルスの死亡者数が正確にカウントされているとはいいづらい。しかし、日本と同様に東南アジアでは、日本、中国、韓国と同じか少ない割合の死亡者しかいないので、欧米と比べ死亡者が少ないのは間違いないだろう。

 この原因については、まだ明確に「これ」という答えは出ていないが、いくつか“仮説らしきもの”はある。

「BCG接種によるもの」と言われたり、「感染して広がっているコロナウイルスのタイプが違う」とか、「人種差がある」とか言われたりしているが、なかなか決定的な結論になるまでには至っていない。

 ほか、「高温多湿の環境がウイルス感染に影響を与えている」という意見もある。今回はこれを検証したい。