ソーシャル・ディスタンシングならぬ
「ファイナンシャル・ディスタンシング」

 第一のポイントは、金融ビジネスに関わる人間と適切な距離を取ることだ。感染症の予防のために、一人ひとりの物理的距離を取る「ソーシャル・ディスタンシング」の重要性が強調されるが、これと同様の概念と行動を、金融の世界にも持ち込むべきだ。

 具体的には、

(1)銀行・証券会社・保険会社などのセールスマンとの「密な」接触を減らす
(2)金融機関の店舗や窓口にできるだけ立ち寄らない
(3)現金・書類などの手渡しをなるべく避ける

 の3点だ。コロナ対策の「3密回避」と同様に考えて実行するといい。

 核心は、「お金に関する意思決定をする際」に他人との接触を避けることだ。金融商品を買ったり売ったりする場合は、金融マンなどの他人と話をした後に、最低2時間は自分だけで考える期間を設けよう。

「いかがでしょうか」「どうしますか」などと言われた時にその場で意思決定してはならない。「よく考えて、必要があれば、私からご連絡します」が常に口から出る答えであるべきだ。

 お金の意思決定をする際に、近くに利害関係のある人間がいるとどうしても心理的に影響を受ける。そうした状況はもともと不適切に「密」なのだ。

 コロナは当面、セールスマンとの直接接触を断るちょうどいい理由になる。その間に、金融マンと直接話がしたいとか自分の話を聞いてほしいといった、自分側の「かまってほしい心理」を、恥ずかしくて危ない姿として見つめ直そう。金融機関のセールスマンと直接会って話をするのは、お金にとって「悪い習慣」なのだ。「人恋しさ」を解消するための手段として、金融ビジネスとの付き合いを選ぶのはあまりに高く付いて割が悪い。