本連載『グローバル・モード』の読み進め方 

 本連載の元となる書籍『グローバル・モード』では、グローバル・モードへのシフトを、実際のビジネス・ミーティング(会議/面談)のプロセスに沿って紹介していきます。

 ミーティングとは、グローバルの「思想」「伝達方法」「ビジネスの進め方」のすべてが試される場。多様な背景を持つ人が集まり、安心してそれぞれに意見を出し合い、そこから何かを決めていく――ビジネスの重要な要素が凝縮されているのです。本書では、とりわけ多くのシチュエーションに共通する要素の多い、「少人数の会議/ミーティング」の流れに沿って解説します。

 主な進行としては、まず下準備に当たる「ステップ0」。初めての顔合わせやアイスブレーク、グローバルにおける心構えを紹介します。

 そのうえで、ミーティングの流れを「ステップ1 現状把握」「ステップ2ゴールの設定」「ステップ3 実行フェーズ」の3段階に分け、それぞれのシーンでよく使う英語表現とともに紹介します。また、英語力を補う実践的な技も取り上げていきます。

 この連載では、ステップ0~ステップ1まで(書籍の約半分!)を、できるかぎり抜粋して紹介していきたいと思います。

 使用している英単語は、およそ900語です。その約5割は中学校で習うもの、また全体の8割は日常英会話の頻出英単語2500語に収まっています。残りの2割は、グローバル・ビジネスで知っておくと便利な単語を厳選して加えてあります。できれば太くハイライトした表現は、自然に口から出るぐらい親しんでおくと最強です。

 また、実際に意見を出し合ったり、まとめ上げたりしていくうえで有効な「実践ツール」をいくつかご紹介します。MBAで習うものから一般書で紹介されるものまでいろいろありますが、ツールは“使ってなんぼ”です。ミーティングの様々なシーンで使い倒せる「汎用性の高いもの」に絞り、よく使われる英語表現とともに解説していきます。

 一連の流れを把握すれば、グローバルでのミーティングは何とかなります。あとは経験を積んでいくのみ。急に海外出張や海外からの来客対応を振られた際に、最低限押さえておくべきポイントが伝われば幸いです。

 では早速、始めましょう。

「英語が下手」なのは単なる個性、ネイティブレベルは必要ない
児玉教仁(こだま・のりひと)
イングリッシュブートキャンプ株式会社代表
ハーバード経営大学院 ジャパン・アドバイザリー・ボードメンバー
DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー アドバイザー
静岡県出身。静岡県立清水東高等学校を卒業後、1年半アルバイトで学費を稼ぎ渡米。ウィリアム・アンド・メアリー大学を経済学・政治学のダブル専攻で卒業後は、シアトルでヘリコプターの免許を取得後帰国。1997年4月三菱商事株式会社入社。鉄鋼輸出部門に配属され様々な海外プロジェクトに携わる。2004年より、ハーバード経営大学院に留学。2006年同校よりMBA(経営学修士)を取得。三菱商事に帰任後は、米国に拠点を持つ子会社を立ち上げ代表取締役として経営。2011年同社を退社後、グローバル・リーダーの育成を担うグローバル・アストロラインズ社を立ち上げる。2012年よりイングリッシュブートキャンプを主宰。イングリッシュブートキャンプ社代表も務めるかたわら、大手総合商社各社をはじめ、全日本空輸、ダイキン等、様々な国際企業でグローバル・リーダー育成の講師としてプログラムの開発・自らも登壇している。