また、居場所を必要としている方のためにと開催を続けていた団体もあるが、その活動も見えづらくなっている。
「緊急事態宣言が出ている中で、当事者会を開催していることをオープンに言いづらい状況もあったようです。実際には開催しているけれど、ひきプラへの掲載など一般に公開するのは控えたいという声も頂いていました。緊急事態宣言が明けて活動を始めたところもありますが、第2波が来るかもしれない中で、当事者会を主催されている皆さんにとって、慎重に開催を検討するとか、オープンに言いづらい状況はしばらく続くように思います」
そうした状況の中、従来のように会場へ集合する形を取らない開催方法も増えている。現在、同サイトに掲載されている会の約半数は、オンラインによる開催情報だ。元々オンラインで活動していた会に加え、オンライン会に切り換える動きも顕著になってきたという。
「今後もオンラインやインターネット配信など、さまざまな会の形が増えてくると思います。それは、当事者の方々にとっても場所などを気にせず参加できるということ。このようにコロナをきっかけに新たな選択肢が広がっているのではないでしょうか」(田島さん)
埼玉県の東松山・不登校ひきこもりコミュニティスペース「Queer Lounge H」も運営している、おがたけさんは、この5月だけで30以上のオンライン会に参加したという。
「TwitterやFacebookで回ってくる情報をキャッチしていたら、これだけの数になりました。1日に3〜4カ所オンライン会をハシゴすることもありました」
このコロナ禍において、全国ではこんなにたくさんのオンライン会が開かれていることに驚かされる。
子どもの頃から人付き合いが苦手だったというマイメロさんは、任意団体である「うさぎプロジェクト」を立ち上げて代表をしている。毎月必ず行っている「きびだんごオンライン当事者会」を軸に、「うさぎ相談会」「うさぎひきこもり会」「うさぎコロナ会」など、6月9日時点で12のプロジェクトを運営している。
その中には、女性の副代表が中心となって運営している「うさぎ女子会」もある。今はコロナ禍であるため、ファミレス等での交流会ができず、オンラインが中心になっている。筆者が取材した6月9日には、ちょうど「うさぎLGBTQ会」を開催していた。