――うつ熱は、まるで「隠れ熱中症」ですね。診断の決め手は「クーラー嫌いかどうか」以外にはどういうことがありますか。

 原因不明の発熱、CRP(体内の炎症を示す数値)ゼロ、暑熱順化(しょねつじゅんか:暑さに体が慣れること)が不十分な6月、高齢者、クーラー嫌い、気温(室温)に一致した体温変化などがキーワードになりますが、中でもとりわけ重要なのが季節(6月)とクーラーを使っていないという事実です。

――うつ熱になりやすいのは、高齢者と乳幼児だそうですね。それ以外の年齢ではかからないのでしょうか。かかるとしたらどのような人ですか。

 高齢者や乳幼児以外は行動性体温調節(意識して環境を整える=涼しいところに行く、水を飲むなど)能力が保たれているので、基本的にうつ熱は発症しません。

 ただし、精神病などの基礎疾患がある場合は、常用薬に抗コリン作用薬が含まれていることが多く、発汗障害を来すので、その限りではありません。

クーラー嫌いでもできる
うつ熱・熱中症の予防法

――うつ熱も含めて、高齢者の熱中症を防ぐにはどうしたらいいのでしょう。

 よく言われているように、小まめな水分補給と室温調節の必要性は言うまでもありません。その上で大切なのは、暑さに体を慣らすようにすることですね。

 これを「順化」といいます。もう1つは、1日1回体温を正常に戻すこと。特に熱帯夜が連続した場合には、体温が下がらないまま翌朝を迎え、朝から高体温にさらされて熱中症の危険が高まりますので、クーラーで体温を下げるか、冷たいシャワーを浴びるなど、一度体温を下げておくことが必要です。

 夜中に体温が下がらないと深い睡眠が取れないので疲労が蓄積しやすくなります。その意味では日中に体温を下げる以上の意味が夜間にはあります。もちろん、日中に一時的にでも体温を下げるのはうつ熱の予防にもなると思います。

 具体的には、暑さのピークとなる14時ごろを避けて外出し、高温環境に身をさらした後、帰りにスーパーやカフェに立ち寄り、体温を下げておくことを日課にするのがおすすめです。