妻の芸能人ブランドまで
傷つけてしまいかねない

 そして、これが最も大事なところだが、そんな渡部さんが会見を開いて「恥の上塗り」をすることは、妻の佐々木希さんにとって、何のメリットもないということだ。

 外野的には「禊だ」「ケジメだ」と好き勝手に言うが、幼い子どもを育てながら、ご自身も芸能人として活動をしている佐々木さんと所属事務所側からすれば、今回のスキャンダルは1日でも早く世間に忘れられてほしいもの以外の何ものでもない。

 会見を開いたところで、イメージアップの可能性はゼロ。それどころか、「嘘つき男」という新たな批判や、他の不倫相手が登場してお祭り騒ぎになるリスクの方が高いのだ。

 つまり、今のままでも十分、日本中に「不倫夫の妻」という恥を晒しているところに、渡部さんが会見を催して、さらに恥の上塗りをするようなことにでもなれば、佐々木さんの芸能人としてのブランド価値を大きく傷つけてしまうことになるのだ。

 このような状況を冷静に俯瞰した場合、「佐々木希」という芸能人でビジネスをしている人たちはどう考えるだろう。もう何も言わずに、誰にも顔を合わせることもなく、ほとぼりが冷めるまでじっとしていてくれ――。そのように、渡部さんに強く要求するのではないか。

 断っておくが、「会見を開かない」ということを推奨しているわけではない。先ほどから申し上げているように、「不倫」というイシューは、言動をコントロールできない相手がいるという難しさに加えて、その相手が「2人しか知らない秘事」を週刊誌などにリークするため、会見を催しても事態を悪化させることが多い。そのため、芸能人というイメージ・ビジネスをしている人たちは、「会見を開かない」という方針へ流されやすいという現実を、指摘しているまでだ。

 もちろん、「会見を開かない」という選択をしても、世間はそう簡単には忘れない。そのあたりでわかりやすいのが、矢口真里さんである。

 2013年に衝撃的な「クローゼット不倫」が明らかになったことで、矢口さんは日本中からバッシングを受けたが、公の場に出ることはまったくなく、そのまま無期限の芸能活動休止に突入した。「会見しろ」「なぜ説明しない」と、全方向から叩かれた矢口さんが公の場で「すべて私が悪い」と謝罪をしたのは、騒動から1年5カ月を経てからだ。