かつては
「ユニクロ野菜」で大失敗

「ユニクロ野菜」――。

 覚えていらっしゃる方も多いと思うが、これが見事に失敗した。

 展開当初、柳井社長は「ユニクロの(SPA=製造小売業)のビジネスモデルを使えば、野菜だってなんだってできますよ」と豪語し、価格も通常の野菜よりも高めに売り出した。ところが、参入からわずか2年たらずで撤退した。

 当時をよく知る流通大手の幹部は「衣料品と天産物の野菜とはまったく別物。ユニクロのSPAモデルだって通用しない」と話した。

 当初「ユニクロ野菜」はマスコミなどで取り上げられ、話題作りでは成功したが、安定供給できなかったことで不評を買った。衣料品と関連のない世界で「ブランドだけでは通用しない」という教訓も残した。

 ユニクロ野菜は短期間で撤退したことが幸いした。

 これが人・モノ・カネを注ぎ込んで成功するまで継続していたら、今日のユニクロの姿はなかっただろうし、柳井社長自身も「失敗に気づいて早めに手を打ったことがよかった」と自著『一勝九敗』(新潮社)で述べている。

 エアリズムマスクは、変化を敏感に読み取って時流に乗った。国内での供給体制が整ったら、次は海外展開に乗り出すという。

 夏用マスクの市場争奪戦はどこに軍配が上がるのか。答えはそう遠くない日に出るだろう。