事業計画すら立てられない中
採用を増やす企業は2%だけ
インターンシップの受け入れ人数や時期が変化している背景には、コロナ禍による業績の先行き不透明感がある。現時点で22年3月期の業績見通しすら発表できない中で、積極的に採用を増やす判断を下すのは難しいだろう。
「企業の採用意欲が低下してきており、インターンシップについても『夏からそんなに早く動かなくてもいい』という意識がある」(谷出氏)
そんな意識の変化を反映して、今回の調査でも22年卒の採用を増やすと回答した企業はわずか2%にとどまった。
さらに、実際問題として、現時点で対面式・集合式のインターンシップを実施することはかなり難しい。強行すれば、「こんな時期に対面式のインターンをやるなんてブラックだ」と思われかねない。だからといって、オンラインでの就労体験型インターンシップは、学生にとっては人や職場の雰囲気が分かりづらく、企業にとっても学生の人柄を知る上で難がある。
企業の採用意欲の減退と実施上の難しさが相まって、22年卒向けのインターンシップは非常に狭き門となりそうだ。そんな厳しい環境下で、就活生はどうすればいいのか。谷出氏はこうアドバイスする。
「これまでの就活は、基本的には前年どうだったかを参考にして動けばよかった。でもこれからは前年の動きや先輩から伝えられたノウハウは全く当てにならない。だからこそ、自分で動いて情報収集することが不可欠になる。
コロナ禍で企業側はWEBで積極的に情報発信しており、就活生は家にいながらにしてさまざまな情報が入手できるようになった。OB・OG訪問も、リアルよりもオンラインの方がアクセスしやすくなっている。自ら動いて、人と情報に出合う機会を増やすことから始めてほしい」