「喉が渇いたら水を飲む」では間に合わない!「熱中症」予防のための正しい水分補給法水分補給のタイミングと、飲料の使い分けも大切です(写真はイメージです) Photo:PIXTA

今年の夏は例年以上の猛暑予想
熱中症リスクがより高まっている

 外出自粛による、いわゆる「コロナ太り」の解消のためにも、夏に向けてダイエットを考えている人も多いのではないでしょうか。そんななか、気象庁によれば、今年の8月は例年より気温が高くなると予想されています。つまり、例年以上に「熱中症」の危険性が高まるということです。とくにランニングなど、屋外での運動には要注意。正しい熱中症対策を知っておくことが大切です。

 まず知ってほしいのは、熱中症を甘く見てはいけないということ。熱中症は、高温多湿の環境に長くいることで体内の水分や塩分のバランスが崩れて体温調整機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもることによって、めまい、頭痛、けいれんなどを引き起こす病気です。しかも、最悪の場合は死に至ることも。近年は猛暑と呼ばれる年が多く、2010年代はそれ以前と比べて熱中症による死亡者数が増加傾向にあります。厚生労働省によれば、2018年に日本で熱中症によって亡くなったのは1581人にものぼります。熱中症は、それだけ「怖い病気」なのです。

 熱中症を引き起こす要因は、「環境」「体」「運動」の大きく3つに分類されます。

◆熱中症の要因1【環境】
 具体的には、高い気温や湿度、強い日差し、エアコンのない室内などの環境が挙げられます。注意してほしいのは、気温だけで熱中症の危険性が決まるわけではないということ。熱中症の危険性は、気温、湿度、輻射熱(ふくしゃねつ)の組み合わせによる「WGBT」という暑さ指数によって表されます。ただ、一般的にいちばん分かりやすい指標といえば、やはり気温ということになるでしょう。そこで、運動をするときには、下記に示す気温の違いによる注意点を意識してください。