フランス,ロワール,シャンボール城
フランソワ1世の肖像 ©iStock

 城が建てられたのは1519年のこと。当時24歳だった国王フランソワ1世(1494~1547年)の命で、築城工事が開始されます。イタリア遠征時、ルネッサンス芸術の素晴らしさに触れ、感銘を受けた王は、帰国後、その建築様式を取り入れた城を造ることを決意したのでした。居住用ではなく、狩猟の際に滞在する場所として造られたもので、森に囲まれた環境は、理想的なロケーションでもありました。

 城の建設に情熱を注いだフランソワ1世でしたが、1547年、その完成を見ることなく世を去ります。その後、息子のアンリ2世(1519~1559年)が工事を引き継ぎ、さらに17世紀、ヴェルサイユ宮殿を造った太陽王ルイ14世(1638~1715年)によって改装されるなどして、シャンボール城は現在の姿となりました。

 フランス国有資産となったのは1930年。1981年には単独でユネスコの世界遺産に登録されましたが、2000年に指定範囲が拡張され、現在は「シュリー・シュル・ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷」の構成要素のひとつとなっています。

 また、ディズニーの実写版映画『美女と野獣』(2017)に登場する城は、シャンボール城からインスピレーションを得て描かれたとされ、話題となりました。

●シャンボール城とレオナルド・ダ・ヴィンチ

フランス,ロワール,シャンボール城
「ルネッサンスの天才」レオナルド・ダ・ヴィンチの自画像 ©iStock

 シャンボール城の建設を命じたフランソワ1世は、レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452~1519年)をはじめとするイタリアの芸術家たちをフランスに招いた王として知られています。王は文芸の保護に努め、フランス独自のルネッサンス様式を開花させたことから、「フランス・ルネッサンスの父」とも呼ばれています。

 レオナルド・ダ・ヴィンチは、フランソワ1世に主席画家、建築家、技師として迎えられ、晩年の3年間をロワール地方で過ごしました。シャンボール城の建設が始まったのは、レオナルドが亡くなったあとでしたが、彼が関わったと考えられている部分もあります。