コロナ禍を受けて雇用危機に拍車がかかったスペイン。問題は「表の経済」だけではない(写真はイメージです) Photo:PIXTA

債務危機時よりも深刻
若年層を襲うスペインの経済リスク

 コロナ禍で世界景気は腰折れ状態となったが、感染拡大が深刻な欧州の場合、特に南欧諸国の景気悪化が懸念されている。また景気の急速な落ち込みに伴い、南欧諸国では雇用も悪化を免れない。さらにいくつかの構造的な理由から、南欧諸国では若年労働者を中心に雇用情勢が厳しくなると考えられる。

 たとえばスペインの場合、3月から6月までの4ヵ月間に失業手当の受給を申請した登録失業者の数が61.7万人にものぼった。先の重債務危機の際にも雇用は悪化し、登録失業数は急増したが、今回の方がそのピッチが早い。5月以降悪化のスピードは鈍化しているが、今後も失業者数は着実に増加していくと予想される。

 とりわけ若年層が雇用の調整弁を担っているスペインの場合、今回のコロナ禍でもまた若年層の失業の急増が目立っている。実際、若年層(16歳以上25歳未満)の登録失業者数は5月が前年比35.9%増、6月が同53.0%増と、それぞれ25歳以上の増加率(同24.4%増と同26.1%増)を大幅に上回ることになった。

 もともとスペインは自然失業率が高く、2008年の世界金融危機以前の好景気のときでも、失業率は7%程度であった。しかし、重債務危機の最悪期には30%近くまで上昇、若年層の失業率は50%を超える異常な事態となったが、労働市場改革や景気の好転を受けて雇用は改善に向かい、19年の失業率は14%まで低下していた。