新型コロナウィルスの影響で、世の中が大きく変わりつつある。そんな変化の激しい現代において「子どもに何をしてあげられるか」と悩んでいる親は多いのではないだろうか。
そこで、これまで教育を軸に取材を重ねてきた著者が、教育学、心理学、脳科学等、さまざまな切り口の資料や取材を元に「いま、最も子どものためになる」ことを『子育てベスト100──「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり 』(加藤紀子著)にまとめた。
「家での勉強のしかた」から「遊び」「習い事」「運動」「食事」まで、子育てのあらゆるテーマをカバー。100の「してあげたいこと」を実践するにあたっては、さらに詳細な「421の具体策」で、実際に何をどうしてあげればいいのかまで丁寧に落とし込んでいる。
発売早々、高濱正伸氏(花まる学習会代表)が「画期的な1冊が誕生した。長年の取材で得た情報を、親としての『これは使えるな』という実感でふるいにかけ、学術研究の裏付けやデータなども確認した上でまとめあげた力作である」と評するなど話題騒然の1冊だ。本稿では、特別に本書から一部を抜粋・編集して紹介する。

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子どもが「役に立てる」機会が減っている

 内閣府は令和元年版『子供・若者白書』の中で、「日本の若者の自己肯定感の低さには、自分が役に立たないと感じる自己有用感の低さが関わっている」と分析しています。

 かつての日本では、子どもも家族の重要な一戦力でした。祖父母や親を助けるために弟や妹の面倒を見たり、子どもたちが家事労働を積極的に引き受けないと手が足りないほどでした。

 しかし、いまの子どもたちには、「誰かの役に立つ」機会が減っています。

 両親ともに働く家庭が増えて、親は仕事と家庭の両立に多忙を極め、子どもたちもまた、習い事などでスケジュールが埋まった忙しい生活を送っています。

 子どもの社会参画を支援するNPO法人コヂカラ・ニッポンの林田香織理事は、「親に余裕がなくなっている現代の日本では、子どもの出番は意識しないとつくることができない」といっています。

 忙しい親にとっては、子どもに手伝わせるより自分でやったほうが早いことも多いものです。

 ですが、子どもにとってお手伝いは「誰かの役に立つ」ことのできる貴重な機会です。お手伝いは、子どもの自己肯定感を育める大切な体験なのです。

 どうすれば、子どもを家族の「一戦力」にしてあげられるでしょうか?

【その1】「頼れる家事」をリストアップする

 掃除・洗濯・料理のほかにも、家事はたくさんあります。むしろ家事の約8割は「名もなき家事」と呼ばれているものです。

 少し前に大和ハウス工業がそんな「名もなき家事」を募集してランキング形式でまとめていましたが、その中には「玄関で脱ぎっぱなしの靴を揃える」「トイレットペーパーの補充・交換」「脱いだ服を洗濯カゴに入れる」「オモチャの片づけ」「飲み終わったコップやペットボトル、空き缶を片付ける」など、子どもでも十分に力を発揮できる仕事がたくさん並んでいました。

 こうしたこまごまとした家事は、すべて親が抱えこむのではなく、子どもにも分担させます。

【その2】まかせる(口出ししない)

 子どもにお手伝いをさせたときに、親が手や口を出したり、誘導したりしてしまうと、子どもが達成感を味わえなくなります。

 失敗したり、途中でくじけたりするのも成長のための経験です。つい口出ししたくなる気持ちを抑え、思いきってすべてをまかせて子どもなりに試行錯誤する様子を見守ります。

 子どもは自分で対処できると、自分の能力に不安がなくなり、自信をもてるようになります。

【その3】社会のルールや危険なことを教える

 ゴミの分別・仕分けといった社会のルールや、刃物、火の扱いなどはきちんと教えておきます。

 とくに、子どもの安全に関わることは、間違った道具の使い方をしていないか、燃えそうなものが近くにないかなど、目を離さないように注意して見守ります。

【その4】「感謝」を伝える

「よくできたね」とほめるのではなく、「ありがとう」「助かった!」と言うと、自分は人の役に立っているんだという自己有用感が高まります。

 また、子どもの手伝う様子をよく観察して、「〇〇が好きなんだね」「××が得意だね」などと声をかけてあげます。親に認めてもらえることでも、子どもが自分を肯定できる感覚は高まります。

(本原稿は、『子育てベスト100──「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり 』の内容を抜粋・編集したものです)