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新型コロナウィルスの影響で、世の中が大きく変わりつつある。そんな変化の激しい現代において「子どもに何をしてあげられるか」と悩んでいる親は多いのではないだろうか。
そこで、これまで教育を軸に取材を重ねてきた著者が、教育学、心理学、脳科学等、さまざまな切り口の資料や取材を元に「いま、最も子どものためになる」ことを『子育てベスト100──「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり 』(加藤紀子著)にまとめた。
「家での勉強のしかた」から「遊び」「習い事」「運動」「食事」まで、子育てのあらゆるテーマをカバー。100の「してあげたいこと」を実践するにあたっては、さらに詳細な「421の具体策」で、実際に何をどうしてあげればいいのかまで丁寧に落とし込んでいる。
発売早々、高濱正伸氏(花まる学習会代表)が「画期的な1冊が誕生した。長年の取材で得た情報を、親としての『これは使えるな』という実感でふるいにかけ、学術研究の裏付けやデータなども確認した上でまとめあげた力作である」と評するなど話題騒然の1冊だ。本稿では、特別に本書から一部を抜粋・編集して紹介する。

ポジティブな子どもに育つ

 カリフォルニア大学デービス校のポジティブ心理学者、ロバート・エモンズ教授は「感謝の心をもっていると、妬み、憤り、後悔や落ち込みといった、私たちを幸福から遠ざける有害な感情を抱かなくなる」といっています。

 感謝の心は毎日のちょっとした「練習」で、生涯にわたってポジティブで幸せに生きられる強みになります。

 筑波大学の社会心理学者、相川充教授らの研究では、子どもに感謝のスキルを教えると、感謝の心が後から育ってくることがわかっています。

「(学校や家庭では)目に見えない感謝の心を教えることが推奨されるが、目に見える感謝のスキルを教えるほうがいい」と相川教授は勧めています。

 では、子どもに感謝のスキルを教え、感謝の心を育てるにはどうすればいいでしょうか?

【その1】1週間に一度は感謝の時間を

 相川教授は、1週間に一度くらいでも感謝すべきできごとを思い浮かべると、幸福感がアップするといっています。

 とくに日本人は、感謝すべきことがあっても、むしろ「すまないな」「申し訳ない」といった気持ちが先に立ってしまう傾向があります。

 だからこそ意識して、「あのことで自分はいま、こんなによくなった」とか「おかげで自分はいま、こんなに幸せなんだ」と、よい状態になった結果に目を向けるようにするとよいそうです。

 子どもとふりかえるときには、こんなフレーズが便利です。

・「〇〇が××してくれた」ことにありがとう
・「〇〇がおいしかった」ことにありがとう
・「大好きな〇〇がそばにいてくれた」ことにありがとう

【その2】親が手本になる

 子どもは身近な存在を手本にして、同じような動作や行動をします。

 子どもが「ありがとう」を言えないとき、「ありがとうは?」と無理強いするのではなく、親が一緒に言ったり、ふだんからまわりに「ありがとう」と伝えることを習慣にし、お手本になります。

【その3】子どもに感謝する

 お手伝いなどを通じて「ありがとう」「助かったよ」と感謝されると、子どもは自分が役に立てたことに喜びを感じます。

 東邦大学医学部の生理学者、有田秀穂名誉教授によると、感謝されることで感じる温かい気持ちは、オキシトシンの分泌によって生まれています。

「愛情ホルモン」ともいわれるオキシトシンですが、このホルモンが分泌されると、ポジティブな気持ちになる効果もあります。

【その4】感謝の気持ちを書いて伝える

 ポジティブ心理学では、感謝の手紙を書くことで、手紙を受け取る側だけでなく、送る側の幸福感も高まることがわかっています。言葉で「ありがとう」と言いにくいときには書くことでも感謝を伝えられることを教えます。

【その5】感謝のビンをつくる

 空きビンを使って「感謝のビン」とラベルを貼り、誰かに感謝したいことが起こるたび、折り紙などカラフルな紙にそれを書き込み、ビンに入れていきます。大晦日や誕生日などの節目にビンを開け、中のメッセージを読んでふりかえります。

(本原稿は、『子育てベスト100──「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり 』の内容を抜粋・編集したものです)